和歌山大学教育学部附属小学校
 

お知らせ

 平成29年度より,『LIVE創REATOR』は,WEBで発行しています。本年度の掲載予定は,後日ご案内いたします。
 

LIVE創REATOR-WEB(らいぶつくりえいたー:うぇぶ)

LIVE創REATOR-WEB
123
2018/03/30new

すきをねらって ~宝運び修行~

Tweet ThisSend to Facebook | by:ぽんた
すきをねらって
~宝運び修行(ボール運び鬼)に熱中する子どもたち~

1年生担任・体育科:南拓哉

 1年の締めくくりとして,「E ゲーム」の「イ 鬼遊び」の学習をしました。この単元を通して,ゲームに親しむことはもちろんですが,敵のいない所を見つけるといった空間認知力を遊びの中から養っていくことを目標としました。

1.どんな修行?
 ボールを宝に見立て,敵の間を縫って反対側までボールを運ぶゲームです。ゲームの時間は,1分30秒で攻守を交代し,何度もゲームをします。
 1チームが5人です。4人はプレーし,1人は外からアドバイスします。
修行の様子

2.どうして反対側まで運べるの?
 ボールを反対側まで運べる時とそうでない時を,ゲームとゲームの間で考えました。すると子どもたちから「敵がいないようにすれば運べる」「敵が自分を見ていないときに走る」と,運べるようにするための空間を作る発言をしていました。それらを「すき」という言葉で統一し,再びゲームに取り組みました。

3.すきだけではなくて…
 学習を進めていくと「パスをすればタッチされない」「作戦を立てればいい」といった振り返りをするようになってきました。また,身のこなしやフェイントについての気づきが生まれてきました。
作戦タイム

 ゲーム前に作戦を立て,自分たちのチームが想像した運び方ができるように話し合っていました。

4.学習カード
 学習カードの表には,みんなに紹介したいことや友だちの様子から気がついたことを記述できるようにしました。裏には,前時の学習から子どもたちの気づきをまとめたものを掲載しました。子どもたちは,気づきの掲載を見て「いいな」と言ったり,自分の気づきを見て誇らしげな表情をしたりしていました。

5.まとめ
 子どもたちは,ボール運び鬼をして「空いた空間を見つけて走る」「空いた空間を作る」ことに気づくことができました。この積み重ねを続け,空いた空間を使って攻める力を伸ばしてほしいと思います。

23:30 | 投票する | 投票数(3) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/03/29new

速さの実験動画

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子どもの主体性を高める学びの追究
~『資料の調べ方』の学習を通して~

6年生担任・算数科:吉久寛郎

1.はじめに
 次期学習指導要領(以降:新学習指導要領)が,3月に公示されました。その中で,算数科は大きな変化のあった教科の一つです。
 これからの社会で生き抜いていくためには,社会生活などの様々な場面において,必要なデータを収集して分析し,その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定をしたりすることが求められます。そのような能力を育成するため,より統計的分野の充実が必要なのだと考えられます。
 そこで,非常に注目されている単元の一つである『資料の調べ方』をとおして,主体性を高める学びの追究について考えたいと思います。

2.単元計画と構成
 資料の調べ方は,現行の指導要領でも扱われている学習です。しかし,本単元では,新学習指導要領の『データの活用』に則って単元を計画することにしました。そのため,現行では扱われていない内容も指導することとなり,慎重に単元計画を立てました。
 まず,単元全体を見通し,大きく2つに分けて構成しました。前半は,新しい知識の獲得と統計的なものの見方・考え方の共有です。後半は,身に付けた技能をもとに自分なりの考えをもち,他者に発信するための時間です。

3.課題設定の方法
 子どもが具体的に考えてみたくなる課題の設定が大切です。『データの活用』の学習は,ただ技能を養うための学習ではありません。調べたいと思えない課題では,形だけの学習となり,探究的な意欲が生まれないと考えます。統計的な処理の良さは,具体的な場面から離れて考えられるところですが,まずは,具体的な場面をイメージしながら考えることで,より統計的な見方・考え方の良さを実感できると考えました。
 そこで,前単元『速さ』から本単元の『資料の調べ方』を一つの大きなまとまりと考えて授業を計画しました。

 まず,『速さ』の単元では,50mを実際に走りながら,世界最速のウサイン・ボルトや日本人で初めて9秒台を出した桐生祥英選手の記録を比べながら速さの学習を行いました。また,最後に速さで学習したことをもとに実験し,グループで動画を作成して単元を終えました。
 計算で出した答えと,実際に走った出たタイムの違いを肌で感じていました。自分の50mのタイムを見ながら,「失敗した,もう1回走る。」「すげえ,7秒台初めて出た。」というように,走るたびに生まれる誤差に目を向けながら,子どもたちは一喜一憂していました。これらのタイムの違いが,後に散らばりの幅として認識しやすくなると考えていました。
速さの実験動画の様子

 『資料の調べ方』の単元に入り,課題を次のように設定しました。「あと1人リレーの選手を選ぶなら,どちらを選ぶと思う?」です。
 前単元で十分な算数的活動を行ってきた子どもが,具体的にイメージしやすくなります。また,人間の走る速さは一定ではないと感じた子どもが,あと1人リレーの選手を選ぶという設定において,様々な角度から考えられると思いました。

4.子どもの実態
 学習を始めた頃の子どもは,見方・考え方がいくつもあっていい学習に戸惑いともっている子どもが多くいました。しかし,学習を進めていくうちに,自分なりにこだわりのある見方・考え方をもつようになりました。考えやすい最頻値から判断する子どもや平均値から考えるという子どもが出てきました。代表値それぞれに長所や短所がありますが,状況に応じて使い分けるまではいかなかったものの,思考のとっかかりとして安心して取り組むことができていました。
 しかし,自分の考えの正当性に目を向けることのできなかった子どもがいたことは,大きな反省点です。題材や単元構成など,見直さなければいけないことが多くあったと感じています。
同じ判断をしたメンバーで考えの交流

 多面的な見方や考え方を育むための一つの手段として,結論を出すまでに具体的な場面を想像できる工夫が必要であると感じました。数値の奥に広がる世界も,決定条件の一つと考える人や決定に影響を与える場合があること知ることで,新たな考える幅が広がります。小学校の段階でいろいろな見方・考え方に触れ,多面的な見方・考え方が育つだろうと考えています。

22:11 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/03/28new

タブレットでパンフレット

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タブレット端末を活用したパンフレット制作の実践
~「表現」「内容」「構成」に着目した
和歌山城の魅力を伝えるパンフレット制作~
国語科・6年生担任:中岡正年

 主教材を生かし,和歌山城の魅力を伝えるため,パンフレットを制作する単元を設定しました。その際,子どもたちには,「表現」「内容」「構成」に着目するように伝え,活動を行うことにしました。
 本実践の事後アンケート結果では,「撮る・編集する・提示する」が可能なタブレット端末をパンフレット制作に活用することを,多くの子どもたちが肯定的に捉えているとわかりました。

1.単元設定の理由
 本実践の前,子どもたちにアンケートを行った結果,「国語科はきらいではないが,文章を書くことを苦手としている」ことが多いとわかりました。
 そのため,苦手意識を上回る活動意欲があれば書く活動も積極的になるのではないかと考えました。そこで,自分たちの学校の近くにありながらも,まだ知らない多くの情報に溢れている和歌山城について取材し,魅力を同世代に伝えるパンフレット作りを行う単元を設定しました。
 既存の和歌山城のパンフレットは大人向けであり,文章も難しく,小学生には情報量が多いように思われました。そこで,6年生の彼らにとって魅力だと感じることを同世代に伝えることを意識し,パンフレットを制作することにしました。自分たちの知識や思いが素直に表現された共感できる作品になるのではと考えました。
 また,パンフレット制作では4人のグループを編成し,1人が2ページを担当することにしました。このようなページ数の制限は,伝えたい情報の精選を期待したためです。
 他者が見て評価するパンフレットは,制作には友だちからの助言が重要になります。互いの意図や思いの相違を明確にするため,主教材や既存のパンフレットの分析には「表現」「内容」「構成」の観点を設け,パンフレット制作にも同じ観点をもって行うようにしました。そうすることで,視点が明確になり,自分たちが感じた和歌山城の魅力をより良く表現することになると考えました。

2.タブレット端末の活用
 パンフレット制作では,下書きを何度も行ってから清書することや,間違えた時にそれまでのすべての作業をやり直すことが,意欲的な活動の継続を困難にするのではないかと感じていました。そこで,子どもの思考に沿って変更が何度も容易にできれば,その問題は解決できるのでは考えました。
 そのため,タブレット端末を活用して上記の問題点の解決としました。(図1)自分が伝えたい思いを込めた文章を容易に変更できることで,思考を何度も繰り返すことになるのではないかとも考えました。
図1:グループでの制作場面

3.実践概要
(1)実践環境と対象児童
 4名が1グループになり,1グループにつき1台のタブレット端末(iPad)とアプリケーションの「Keynote」を活用しました。なお,取材に行く際にもタブレット端末を活用しました。(図2)

図2:取材中はカメラとして活用

 

図3:子どもたちが制作したパンフレット

4.実践より
 実践後のアンケート結果から,多くの子どもたちがタブレット端末を活用したことを肯定的に捉えているとわかりました。
 回答結果の集計は,以下の通りです。



 2つのアンケート回答結果から,多くの子どもたちは,タブレット端末活用が自分達の学習活動に役立ち,学習に対して意欲的に行うことができたと感じていることがわかりました。
 「タブレット端末は役に立ちましたか」の質問に対して,差はあるものの全員が「役に立った」と回答していました。理由として,自分が撮った写真をすぐに活用できたことや,写真や文章の配置を操作しながら考えることができたことなどを挙げていました。タブレット端末ならではの機能を活用し,パンフレット作りの「表現」や「構成」が行いやすかったようです。このようなタブレット端末の機能に触れた回答は,全体の約68%を占めていました。
 また,「タブレット端末を使うことでしっかり取り組めましたか」について,「しっかり取り組めた」と回答した理由として,「『ここも少し直そう』など,イメージを見て考え直せたので,楽しさが湧いてきました。」という記述がみられました。
 これらのことから,タブレット端末が,その時々の活動を支える道具として機能し,子どもたちの意欲向上に一定の効果があったと感じています。

21:58 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/03/28new

ミニ保健指導

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元気いっぱい・笑顔いっぱい・優しさいっぱいの附属っ子を
めざした健康教育
~ミニ保健指導を通して~
保健室:森本孝子

 『元気いっぱい・笑顔いっぱい・優しさいっぱい』これは,私が本校に赴任して最初に保健室前の掲示板に掲げたもので,このフレーズのような附属っ子があふれる学校にしたいと思っています。そのために,保健室からのアプローチの一つとして「ミニ保健指導」を行っています。

ミニ保健指導
 
対  象:全学級
時  間:9月・1月身体測定時(約10分間)
指導項目:9月…生活リズムを整える
        ・生活チェックの取り組み
        ・スポレク(運動会)に向けての健康管理
        ・熱中症予防
     1月…生活リズムを整える,インフルエンザ・風邪・感染性胃腸炎予防
指導目標:9月…子どもたちが生活リズムを整え,スポレクに元気に参加すること
        ができるようになる。
     1月…子どもたちが生活リズムを整え,インフルエンザや感染性胃腸炎
        等,冬に多い病気の予防に努めることができるようになる。

○熱中症予防に関する指導について
 本校では,2学期早々にスポレク練習が始まります。残暑厳しい中で,スポレクの練習と本番に元気いっぱいで臨むため,熱中症の予防は健康管理において大きなウエイトを占めます。
 熱中症予防のためには,暑さ対策だけではありません。夏休み中にくずれた生活リズムを早期に学校生活に合わせて立て直し,体調を整えておくことが必要です。このことを子どもたちが理解し,生活の中で実践につなげ,健康の自己管理ができることを目標に,学年・クラス・子どもの実態に応じた内容で指導に取り組んでいます。
 また,2学期はじめの同時期に実施している生活チェック表や,ほけんだよりの内容とリンクさせて取り組んでいます。その一部を紹介します。

○5年生 「熱中症予防を中心に健康の自己管理をしよう」指導の様子

【2学期はじめの子どもの実態から】
 この学級の1人が, 数日前に1限目から「風邪気味でしんどい」と言って保健室に来室しました。朝から固形物を食べるほどの食欲はなく,スポーツドリンクとヨーグルトだけの朝食でした。
 また,夏休み中のお盆明けに,久しぶりの運動で軽い熱中症の症状を起こしたことがありました。その時は, 夜更かしと朝寝坊で睡眠のリズムが乱れていたことが分かってきました。

 
【展 開】
 T:暑い中でスポレクの練習が始まったね。保健の先生が一番心配していることは何だと思う?
 C:熱中症。
 T:そう。夏バテしていると熱中症になりやすいよ。
 T:夏バテ・熱中症予防のために自分で気をつけてできるのは,どんなこと?
 C:こまめな水分補給。
 C:脱水症状。
 T:こまめって?
 C:練習の後もだけど、その前にもお茶を飲む。喉が渇く前とか,練習の休憩でも。
 T:そうだね。喉が渇いてからの水分補給も大事だけど,練習中の休憩時間や練習前に予防として摂っておくことも大事だね。
 C:1日3食,食べる。
 C:朝ご飯食べてない。
 C:夏休み中,2食しか食べてない。(数名)
 T:朝ごはん食べなかったら,前の日の夕飯から給食・弁当の時間までどれくらいの時間が空く?
 C:(各々自分の生活リズムを思い浮かべながら考えている様子)
 T:例えば,夜6時に食べて次の日の朝食を抜くと,給食まで18時間位何も食べずに,体に栄養が入ってないってことになるよ。大丈夫?
 T:これでスポレクの練習できる?勉強できる?体は?
 C:うそ!!
 C:やばいな!!
   (具体的に空腹時間を示すと驚きの声が挙がった。)
 C:朝ごはん食べてなかったら,倒れてしまう。
 C:スポレクの練習は無理!!
 T:朝食は1日のエネルギー源だよ。普段より運動量が増えるこの時期こそ,しっかり3食摂ることが必要だね。
 T:あと自分で熱中症予防のためにできること,気をつけることは?
 C:帽子を被る。
 C:塩分を摂る。
 C:早く寝る。(口々に,「早く寝るのは無理」の声も…。)
 T: 睡眠不足も運動するには,しんどいよね。集中力も欠けてけがにつながってしまうしね。生活のリズムを取り戻すポイントは, 寝る時刻と朝起きる時刻を毎日決めておくこと。今晩からチャレンジして体調を整えていこう。

 以上のように,このクラスでは,熱中症予防のポイントとして朝食の必要性と睡眠のリズムを意識しながら展開しました。高学年になると既習事項や経験から様々な知識を得ていて,回答や意見が次々と出てきました。




 子どもたちは,どの学年でも興味関心のあることには,たくさんの知識を得ていると感じることが,保健指導をしていると多々あります。知識だけでなく,より多くの子どもたちが実生活に反映できるような保健指導にしたいと考えています。
 そこで,低学年では興味関心をもつ入り口として,子どもたちが基本的な事項を広く浅く考えられる展開にしています。そして,学年が進むにつれてクラスの子どもの実態に合った指導のポイントを意識し,子ども中心に話合い,学び合いながら展開していくように心がけています。
 子どもたちには, 生涯にわたって健康の自己管理ができる人になっていってほしいと願っています。その基盤となる健康的な生活習慣に関する知識と実践力を,小学校の6年間で少しでも身につけられるよう,来室する子どもへの日々の対応と併せて保健指導を充実させ,健康教育に取り組んでいきたいと考えています。

21:35 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/03/27new

家庭科で「はがき新聞」!?

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自分の生活に活かしてみよう!

家庭科専科:武友多佳子

1.被服分野
 大学で被服分野の研究をしている今村律子校長と共に取り組んだ内容です。6年生の子どもたちと「涼しい着方」について考えました。布には,「織物」と「編物」があるということを模型や実験で確かめました。
 「ルーペで見たら,編み物と織物の違いがあるとわかった。ものすごい発見です!」と,子どもたちは興味津々でした。
 「6月15日に編物と織物について勉強しました。私がルーペを使って見たものは,服やカーテンです。(わかったことは)編物はのびやすく通気性が良い。そのため,体操服や夏服に使われる。織物はのびにくい。そしてすき間がないので,風が通りにくい。」という振り返りがありました。
はがき新聞:織物と編物

織物と編物の吸水性の実験

 汚れ方についても実験し,洗濯の必要性を知りました。子どもたちは「汚れていると,布のすき間にごみが入っていて,吸水性が悪くなるんだな。」「これからは,汚れたらすぐに洗濯したい。」という声が聞かれました。
 これを受けて,
9月のスポレクで使用したタスキの洗濯・アイロンかけを行いました。

 寒くなってくると,「暖かい着方」についても考え,布の構造と性質をもう一度考えました。
はがき新聞:あたたかい服の着方

 これらの学習から,その時々に合った着方を考え,清潔な服装に気を配るようになってほしいと考えています。

2.食分野
 「マイ弁当」を作ってみました。最初に,本校栄養教諭から献立を考えるときに注意することを学びました。そして,自分で栄養バランスや彩り,量などを考え,作り方を自分で調べ,食材も自分で用意しました。
 子どもたちからは,「お母さんの大変さがわかった。」「中学生になったら,たまには自分で作ってみよう。」という声が多く出ました。
 これ以降,家で気軽に調理をする子が増えました。自ら考え,てきぱきと調理できる子が増えたのは嬉しい成長です。


3.はがき新聞
 授業の振り返りやまとめとして「はがき新聞」に取り組みました。要点をコンパクトにまとめる力がつき,レイアウトを考えることで,創意工夫する力もついたように思いました。作品は,家庭科室などに掲示し,全員で共有しました。

23:00 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/02/28

興味関心につながるポップ作り

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主体的に読みを深め学習指導の工夫
~子どもたちの多読につなげるために~
国語科・2年生担任:川端大奨

1.興味をもって世界のお話を読む子ども
 本学級の子どもたちは,世界の物語に触れる機会が幾度かありました。しかしこれまでは,作者にスポットを当て,シリーズ作品や関連作品を扱った教材で学習を進めていました。
 そこで,さらに読書の幅を広げることで多読につなげたいと考えました。「スーホの白い馬」の単元では,世界には様々な物語や本があることを知り,興味をもって本を読む子どもを育てたいと考え,ポップ作りを学習課題として設定しました。

2.興味関心につながるポップ作り
 世界の物語に興味をもちやすいよう,ポップ作りを学習課題として設定しました。ポップは,各場面で物語をよく表している叙述を書き抜き,それを選んだ理由と共に紹介する学習活動を行いました。この活動は,ポップにつながる1つのキャッチコピーになると考えています。
 しかし,物語全体から
突然書き抜くことは難しいと考えたので,各場面を読み深め,その場面で物語をよく表している文を書き抜き,最終的に書き抜いた文の中から1つに絞ることで,ポップに仕上がります。
 その学習活動を生かし,ほかの本でもそのことが応用できるようになれば,自然と読書量が増えていくと考えて実践しました。



ポップ(お気に入りの本で作成したもの) 
 
3.ポップ作りを通して
 ポップ作りを通して様々な本に触れる機会を設け,子どもたちに本の良さを伝えることができれば,自然と読書量は増えていきます。知っている本が出てくれば自分から手に取って読む子どもが増えていきます。
 現在,2年A組では読書の量が増えてきています。またいろんな本を読んで自然と子どもたち同士で紹介し合っています。そうした雰囲気を作っていける実践ではないかと思います。

21:40 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/02/27

異学年で学び合う複式学級

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異学年で学び合う複式学級
国語科・複式中学年担任:中村正雄

 複式学級の大きな良さには,縦のつながりがあります。上学年(4年生)と下学年(3年生)が学んだことを互いに交流することで,より学びを深めることができると考えました。以下は3・4年生国語科での実践です。

【心に残ったお気に入りの本を紹介しよう】
 3年生は「モチモチの木」,4年生は「ごんぎつね」を学習しました。そして,両学年の言語活動を『登場人物になりきった日記を書きながら学習を進める』と設定して取り組んできました。お気に入りの本を紹介する時には,3・4年生が互いにおすすめの本を紹介しました。
図1:3年生の手助けをする4年生

 4年生は,3年生が発表する手助け(図1)をしたり,感想を伝えたりする姿を見ることができました。子どもたちから「感想を言いたい」という声が出ました。驚いたのは3年生全員が感想をもらえたことです。本の魅力を伝え合うことができたようで,子どもたちは嬉しそうな表情を浮かべていました。
 この活動以降は,紹介された本を読み始める子が増えてきました。異学年が同じ活動を通して学習することで互いの良さを感じることができ,読書の幅が広がったように感じます。(図2)
図2:板書

【異学年交流で深まる国語科の学習】
 3年生が,資料から分かったことを発表する学習がありました。当初は,3年生だけで発表してふり返る予定でしたが,4年生から「発表を聞きたい」という声があがったので3年生と4年生で学習することにしました。
 4年生は,発表の際に「聞き取りメモのくふう」で学習したメモのとり方を生かし,3年生の良かったことをメモし,伝えることができました。「表を指さすことでどこに注目すればよいか分かりやすい(図3)」「なぜそう考えたのか理由が入っている」「全国の小学生の数の変化がよくわかった」など4年生だからこその意見があり,よりよい発表にするための大事なポイントについて学ぶことができました。
図3:発表の様子

 4年生は,昨年度できていなかったことやもっと相手に分かりやすく伝える工夫などをふり返ることができました。(図4)紙ばかり見るのではなく相手の方を見て発表する,自分の考えを述べる,比較を使うことで説得力が増すなどの学びがありました。

図4:3年生の後ろで学ぶ

21:32 | 投票する | 投票数(3) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/02/07

「かくれた数はいくつ」

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ズレからうまれた,学び合う姿
算数科・2年担任:糸我直人

 2年生算数の「かくれた数はいくつ」は,実際に答えを求める際の演算が,問題の表現とは逆になる逆思考のため,子どもたちにとって難しい単元であると考えられます。例えば,問題文の文章に「もらった」「全部で」という表現から,たし算を使う子どもが多くなることがあります。
 そこで,「はじめは,何個ありましたか?」の問いにおいて,演算方法が違うという気付きが子どもたちの問いにつながると考えました。そして,逆思考の問題場面をより理解しようとする姿を期待して取り組みました。
 まず,前時に次のような課題を立てておきます。

<前時の課題>
  あめをもっていました。5こもらったのでぜんぶで13こになりました。はじめは,なんこありましたか。
(式)13-5=8 
(答え)8こ

 そして,本時では次のような課題を示します。

<本時の課題> 
  あめをもっていました。そのうち5こ食べたので,のこりは13こになりました。はじめは,なんこありましたか。
(式)13+5=18
(答え)18こ

 本時の課題に対して,13-5=8という答えが出た時,
「えっ?足し算だよ」
という発言がありました。
「たし算になる理由を説明したい」

と前に立ち,自分なりの方法で図を描いて説明し始めました。その子の考えを全員で共有し,足し算になる理由を考えていきました。

 なぜ,「13+5=18というたし算になるか」とういことを焦点化することで子ども同士が聞き合い,友達の考えをつなげながら,子どもが主体となり,問い続けていく姿がありました。

19:32 | 投票する | 投票数(3) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/01/31

社会参画をめざした問題解決学習

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社会参画をめざした問題解決学習の授業づくり
~深い学びにつながった2実践から~
社会科・6年担任:梶本久子

 これからの社会は,市民がこれまで以上に主体的に参画することが求められています。そのためには,地域との主体的なかかわりをもとうとする子どもを育てることが必要です。2実践では,地域教材との出合いを大切にし,子どもたちが抱いた疑問や発見から生まれた問題を取り上げました。
 歴史単元では,初代藩主徳川頼宣にスポットを当て,和歌山城に残されている物や,現在に語り継がれている政策などを組み合わせて,武士の世の中の様子を学習することを試みました。頼宣から見た参勤交代や城改修など,全国の歴史に関連する事象から江戸幕府の政策が見え,歴史を身近にとらえると考えました。
 公民単元では,身近な和歌山県の県議会を見学することから,興味関心を喚起し政治の学習の入口として「和歌山県の課題や将来」を取り上げ,特に,今話題になっている「インバウンド観光」を中心に学びました。住民や県庁への聞き取り,ゲストティーチャーとの学び合いを通して,地域住民の願いを実現していく知識や方法を学び,進んで地方自治にかかわっていくことの大切さを知ることができました。  
 子どもたちが切実になる地域教材をとおして社会参画をめざした新しい問題解決学習の授業モデルを考え検証しました。特に地域課題を教材化することによって,深い学びにつながった2実践の取り組みの様子やそこで見えてきた子どもの変容を授業分析を中心に紹介します。

1.授業実践
 ①歴史単元「徳川頼宣」授業記録より
 今回の授業は問題解決学習の「話し合い」を中心にした授業です。「頼宣はレジェンド?NOレジェンド?」というB児からでた問題について話し合いました。「聖徳太子のときは…」「聖武天皇のときは…」とレジェンドについて再度考え直しをすること自体がメタ認知の入り口になると考えました。問い続けていく中で,本当の意味でのレジェンドとは何かを考え始め,その考えが,現代社会のつながり,未来のレジェンドという大きいストーリーを形作ることができると考えています。しかし,二項対立で話し合っているだけでは,深い学びにはなりません。そのために,子どもたちの思考にずれのある父母状の資料で立ち止まり,焦点化し,当時の農民について考えさせるようにしました。百姓のお触書と父母状を比較することで多元的な視点を入れ,劇化(共有化・焦点化)を取り入れることで,子ども一人一人が劇の台詞を考え,歴史物語の中に自分の文脈を位置づけることができ,自らの歴史像を語ることを可能になりました。また,それをもとに仲間と話し合うことにより,歴史物語が構成され,自らの歴史像をふくらませたり,編み直したりできました。

父母状で焦点化の場面
 しんじの意見に,違う見方をたけるとゆうたが指摘することで,農民がどう思っていたかに迫ります。

しんじ:頼宣がレジェンドと思う。父母状なんだけど,熊野にお父さんを殺す事件があって,儒教の学者が3年かけて説得してた。その考えをみんなにもわかってもらおうと父母状ができた。「親孝行してきまりを守り,質素にして家業に勤め,へりくだりおごらずに正直に暮らすことは誰でも知っているが,常々このことを教え諭さなくてはいけない」
ゆうた:ぜいたくしないってこと。
しんじ:当時の人々に教えてる。この教えを紀州藩全体を教えるために父母状が手本になっている。紀州は自由な気風で,おさめるのは難しいのに,その難しいのを李梅渓と頼宣でおさえたからすごい人。レジェンドの意味は,心と教育したことが大事やと思う。だから,紀州藩全体を教育したことがすごいレジェンド。
 しんじはレジェンドについて自分なりの定義をして,本当のレジェンドは何かを感じ考え始めた。
T:父母状のことを考えてほしいんだけど。
 父母状の資料から,子どもたちの思考にずれがうまれると考え,立ち止まり,焦点化した。
ゆうた:父母につまり親に孝行したところはいいと思うんやけど,そのあとの言葉がちょっとおかしいんよな。きまりを守るとか,質素にして家業の仕事をするとか百姓のお触れ書きに似ていると思うんよな。
たける:みんな,資料集みてみよか。似ている。ここの家業とか,質素とか。
ゆうた:朝おきをし,朝草を刈り,昼は田畑の耕作にかかり,晩には縄をない,俵をあみ,それぞれの仕事,油断無く仕事するべきって,さっき言ってたとこに似てる。1日お百姓の仕事して,1日の仕事してとか。
 子どもから共有化・可視化の提案。子どもたち自身も,自分の意見をより共有できるように自ら工夫する姿が見られようになってきた。
たける:父母状は,孝行の後の文は,人をおさえるためのもの,つまり,農民をおさえている。だから,父母状と百姓のお触書は,内容ではなく目的が似ている。父母状はいいことかもしれやんけど,結局百姓のお触書のようなものなんよ。
さとる:父母状っていうたらね,僕はO幼稚園やったんよ。最後の卒園式で父母状読んで,いつも覚えさせられてた。その時,なんかよくわからんかった。でも,今勉強してわかった。父親とか,親を大切にするってこと。そんで,今勉強してそれも教育だとわかった。【①】
 自分の生活につなげた意見である。歴史と生活はつなげるのが難しいが,地域教材がもつよさが,さとるの意見に表れた。
しんじ:ゆうたの話は,下の農民の目線の立場。他にも頼宣や武士,大名とか,(板書をさして)もっといろんな立場の人いる。いろんな人の立場でカフェ(校外の学習発表会)で劇するやん?だからいつもと同じで劇化をしようよ。
 単元のゴールにつなげた意見である。子どもたちの大部分が劇化で深まるという意識がある。難しくておちかけていた2名の子どもも,劇化をすることで自分の考えを話すことができた。振り返りや子どもの実態からみても,劇化を行うことで,頼宣や家光,農民の思いに気付かせ,思いに迫る場面を取り入れることができ,劇化の有効性を感じた。

「父母状について紀州藩そこまで言って委員会議」
 グループ学習後,劇化しました。
たける(農民の大人)「父母状ってわしらをおさえるつけために出されたんじゃ」
みほ(農民子ども)「でも,めんどくさいから親孝行する気ないよ」
だいき(李梅渓)「農民からそう思われるのも仕方ない。そんな意味もこめているからなあ。でも親孝行して親の言うことききなさい。」
さり(頼宣)「今気づいた。事件をなくしたいと思ってたけど農民を苦しめてたんやな」
 このグループは,たけるの意見が強く出ている。
けいた(頼宣)「ちゃんと父母状を守り,父と母の言うことを聞き,親孝行するのじゃよ」
しんじ(李梅渓)「父母状はきまりとかじゃない。儒教をみんなに知ってもらいたいのじゃ」
ゆき・あい(農民)「いややけど守りたい」
しんじ:でもさ,父母状はきまりちゃうやろ?
たける:でも,守らな罰みたいなのあるやろ?
 仲間の意見をうけて,単元の終末を意識してふくらませている。しんじは,常に農民の努力や工夫について発言している。次時では,しんじの考えを通して,幕府の政策面だけでなく,264年間支えた農民の姿を明らかにさせた。
T:じゃあ,劇をしてわかったこと,書いてね。
ひなき:農民とかは父母状はしばりつけられている頼宣と李梅渓はそうは思ってなかった。
ゆり:農民がしんどい思いをするため父母状があった。 
はるや:農民は頼宣や李梅渓に感謝している。農民はそこまでわかっていなくて頑張ろうって思ってる。
 ひなきやゆりにとっては,たけるやゆうたの意見から,父母状に違う見方があったことを理解したから出た発言である。またはるやは,父母状には違う視点があっても,まだ,農民はそこまで理解していなかったという意見である。多くの子はこういった2つの意見をもっていた。しかし次に出てくるさり,しんじ,ゆうた,たけるの意見で深い学びにつながっていった。
はる:父母状は農民とかに,しばりつけていた。
さり:農民の中でも人によって違うし,父母状の取り方も人によってちがう。
ゆうた:頼宣とか農民とか色んな立場から見ると,見方が変わることがわかった。【②】
 社会科,特に歴史学習の見方・考え方において,大変重要な意見である。
たける:続けて,見方を変えたら見えてくるもんも変わる。そのために先生はこんな対立がわかりやすい板書(さして)したんやろ?みんなで考えた公式「権力者は支配する人たちを力で押さえつけている」ことが今回もわかった。【③】
しんじ:でも,農民の努力があってこその江戸時代。農民たちは工夫して江戸幕府を264年続く支えとなった。そして,ゆうたやたけるがいったように,見方が変わると見え方が変わるので,頼宣に対してもそうだからカフェの劇でもレジェンドとノーレジェンドのところも台詞に入れていきたい【④】
 子どもたちの振り返りからも「ホワイトボードを見て,わかることができた」という意見もあった。たけしの意見が共有化につながった。子どもの見方や考え方がより多面的に確かになった。
 授業の後半「父母状」をめぐってグループ活動を行いました。(下線部①の場面)「深い学び」について多くの方から意見をいただいた場面が2か所ありました。(以下,岩野清美「地域教材を生かし,時代の社会システムの理解をめざした社会科歴史授業」参照)
 「父母状」とは頼宣が儒者李梅渓に作らせ,頼宣が出した触書です。この父母状を出すことにより江戸時代の社会システムがどのようなもので,どのように作り上げられていったか考えることができる教材です。
 B児は父母状を「人を抑えつける法律」と,外在的な秩序形成のための法令とらえ,C児は「教育(内から秩序をつくる仕掛け)だと一貫して主張しました。その後,話し合う中で「農民の中でも人によって違うし,父母状の取り方も人によってちがう。」C児(下線部③)B児(下線部②)の言葉から,父母状という事象について,支配者と百姓という2つの立場では見方が異なること,百姓という1つの身分であっても,その中に多様な見解がありうること,政策は意図せざる結果を招きうることなどについての気づきと言えます。
 ずれのある資料・父母状を取り上げることにより,子どもたちは社会科の見方・考え方を使って,他に転移できる考えや一般化できる考えがうまれ,学びが深まったといえます。
 もう一つの場面は,A児の発言(下線部①)です。
 6年という時間を経て学びを振り返るA児の意見は地域教材の強さも表れ,子どもたちもうなずいて聞き深い学びにつながる一端が見えたように感じました。本授業から「頼宣」や「和歌山の歴史」を身近に感じ始めたA児は,夏休みに頼宣のまつられている「東照宮」のある「和歌浦」について毎日のように,現地や県庁など訪れ調べました。社会科は子どもの生き方にかかわる教科です。生きて働く知識を子どもたちのものにしたいと考えています。

 次の公民の実践では,A児にはさらに生きて働く知識をつけること,一面的な見方から,多角的・多面的な見方ができる子にと思い,A児を位置付けながら授業をデザインしました。A児の視点から授業を問うことは,周りの子の質を問い返すことになると考えています。
 今回,4人の着目児を中心に変容をみていきました。4人が仲間との関わりを動的に問い直しながら,その子の思考の流れや変化,他の子との関わりを追うことができました。その着目児の思考から問いを設定し,問題に対して着目児の解決,追究の仕方,変容を見ることができました。

②公民単元「インバウンド観光」授業記録より
 A児から出た問題「和歌山市(和歌浦)を6Aのインバウンド観光のイチオシにしたいんだけど,みんなどう思う?」について話し合いました。これまでの授業では子どもから出た話し合いを中心に進めてきましたが,今回は,その話し合いを中心にするのではなく,資料提示から子どもたちの思考の深まりを追っていきました。つまり,子どもたちの思考とずれのある資料を提示することで,本時の学びの深まりとなる場面を設定し,練り合っていく場を中心にすすめていったのです。インバウンド観光では「ゴールデンルート(以下GR)」という言葉が多く出てきます。GRとは,新幹線を使って巡る人気の高い観光ルートのことです。現在,GRの宿泊施設が不足してきており,GRから広く地方へ訪日外国人を誘致することが求められています。その中でずれのある資料として,GR外で空港もなく,港もない岐阜県が外国人宿泊者数ランキングで上位になった理由,政策と和歌山の政策と比べることで,近隣の地域,他府県と連携していくことや,おもてなしについて考えるきっかけになればいいと考えています。課題に関しては,観光地のよさや政策を調べることにより,多種多様な立場の人の思いや行政で働く人の願いに気づくこともできるのではないかと考えました。和歌山県の予算の中で観光が占める割合は少額です。予算について考え始めている子もいるため,今後の県の予算や税金の働きなどの学習につながっていいました。
 着目児A児の「ぼくは,日本遺産の和歌浦を6Aの一番のインバウンド観光のイチオシにしたいです。聖武天皇や頼宣が愛した景色は歴史のストーリー性もある。みんなはどう思いますか」という作文をもとに話し合いました。
 その後,子どもたちからは世界遺産の高野山が,県のターゲットの欧米人対応になっていることや,和歌山の売りである自然の観点からジオパークやラムサール条約に認定されている串本についてなど,話し合いが続けられた。子どもが焦点化していく場面と教師の資料提示によって焦点化していき深い学びになった場面をあげたい。
ゆあ:和歌浦と考えず,歴史のストーリー性を考えて,岡公園の陸奥宗光や和歌山城,おもてなし忍者など6Aらしいストーリーでつないでいくといい。 
たける:そんなふうにつないでいくことはすごくいいこと。でも,和歌山は政府の推しているGRに入っていなかったり,高速道路,新幹線が通っていないなど,解決すべき交通の問題が多い。だから,交通が不便な分,ありのままの自然が残っていてそれが魅力な高野山や熊野古道のようなところと和歌山市をつなげてアピールするといい。
 和歌山市か高野山,串本かという視点で話していた。いぶ,たけるのつなぐという言葉やゆうたの資料から,県の観光地がつながっていない現実を知り,和歌山市と高野山をつないでいくという発言が学びの深まり(焦点化)となった。それをうけ,しんじがWBで地図を書いて説明することで,さらに和歌山県全体をつないでいく意見が可視化共有化できた。
ゆうた:そこの日本地図にも書いてるけど,和歌山の中で新しいGRを作ったらいいと思ってる。岩永さんからもらった資料「外国人観光客が和歌山市と一緒にどこを訪れたか」聞いたら,大阪にいった34%なんだけど,高野山1.4%,箱根・富士山も1.4%なんよ。(C: えー??やばいやん。そんなんあかんやん)
今の状況みたらたけるの考えもいいけど,このままやったら,県内やのにつながりが弱いことがわかる。紀南では聖地巡礼バスが人気っていってた。(地図をさしながら),点々としたものを線で結んで,ストーリーバスつくったら県内の周遊にもなる。一個一個の観光地を育てるのもいいけどつなげることが大切なんよな。
しんじ:ゆうたに続けて,点を線でつないでいくのは賛成なんよ。ここ,和歌山市,和歌浦。ここが高野山,串本,白浜はここら辺。これら全部つなげるといい(日本地図を指し)ここに昇竜道ってある。ぼくもつなぐということで調べていたら,見つけたんやけど,愛知から北陸全部能登半島とかを道路や車,新幹線でつないでいる。和歌山って新幹線とか地下鉄ってない。和歌山がモデルになって,和歌山GRみたいにこうやってつなげたら外国人も行きやすいし移動もしやすいから和歌山市からどこかへいく行くのも行きやすくなる。だからさとるの和歌浦も含めて和歌山のいいところつなげるのがいいと思う。
T:和歌山はGRがなくって観光客少ないって言ってたよね?和歌山は,この資料で2016年の外国人の宿泊者数19位なんです。でも,岐阜は空港も港もないしGRから離れてるのに14位なんよ。
 今までの授業は,子どもたちが焦点化していく場面を大切にしていた。本時では教師から資料を提示した。資料から社会的認識のずれを実感することで,一面的に見ることが多いさとるや和歌山だけがよくなればいいと思っている多くの子どもたちに,新たな視点(深い学び)がうまれた。
C:え?なんで岐阜が…(口々に)
C:絶対なんかしてる
T:そう!その通り,なんかしてるんよね。考えノートに書いて下さい。
 その後子どもたちは,地図帳や既習事項をもとに考えを深めていきました。地理的な要因について話し合った後,他県とはひと味違ったインバウンド戦略「岐阜モデル」の成功の秘訣の資料の話になります。
たくみ:岐阜が他県と違うインバウンドでは,1番の知事が自ら現地に行って宣伝っていうのは仁坂知事やってるやろ?5番の県・民間・学校・産業の全ての関係者が力を合わせてつながるができていないから一番大切やと思う。いろんな関係の人と力を合わせること,つまり線と線がつながる。
ちあき:和歌山の人は何もないっていうけど岐阜にはそんな人いないと思う。理由は5番の全員が力を合わせて協力してるからそうなんだと思った。和歌山もすればいいと思う。
えいこ:私も5番が大切と思った。和歌山の人が一人一人が来てほしいって思ったら外国人もきてくれる。岐阜も最初は観光客が少なかったから岐阜モデルつくった。そんなふうに協力が大切という県民の意識が大切。和歌山の課題の人口減少を救うには外国人が11人来たら人口が一人減ってもまかなえるからやいいと思う。
ゆうき:続けて,3(県の中の市町村を周遊する体験ツアー)も4(岐阜の宝ものプロジェクト)も和歌山ではやっている。やっぱり,6の中部北陸9県のつながる新ゴールデンルートのことが大事やと思う。地図帳見たら新GRって,北陸につながる岐阜の近くに静岡,山梨,愛知あるやん?富士山近いし世界遺産やん?周りの県と協力してできるGRを和歌山でもしたらいいと思う。
ゆうた:日本地図に岐阜までの14位までを印つけてみた。すごく地域によって偏りある。ここら辺て昇竜道があるところ。そこらへんはみんな上位にはいってる。近 畿地方は大阪・京都・兵庫が14位までにはいってる。奈良・和歌山も一緒になって,他府県との協力すればいいと思う。
しんじ:和歌山ができてないことは和歌山何もないよって意識を変えることとGRとかでつなぐだけ。昔に比べて宣伝上手やし観光客も増えてきてる。和歌山は和歌山だけで頑張ってるんよ。岐阜やったら他の県と連携して順位が上がったんよ。和歌山もこれぐらいのGRを作っていけばいい。
さとる:そうか!わかった。(と言いながら何度も頷く)
T:え?みんな前はつながない方がいい。和歌山だけでお金入ったらいいって言ってやん?
ちゆき:それやったら限界あるんよ。和歌山ってUSJ近い。GRから関西一帯をつなぐと日本全体の観光客も増えるやん?少子高齢化もまかなえるかもしれへんやん?
たける:京都と和歌山やったらどっちの方が交通便利やと思う?金閣・銀閣あるやん?でも,こっちだって,高野山あるやん?歴史のストーリーやったら勝ってると思う。今,GR入ってないやん?例えば,茨城は東京の近くやのに31位(タブレット見せる)全然つながってない。交通の便はあまりよくないから泊まってくれない。交通の便が悪かったらいくらきれいにしても来てくれない。やっぱり,高速道路や電車がつながってるようにしてシルバールート作ったらいいと思う。
 このあと,単元のゴールである6A観光アクションプログラムにつながる話や連携の大切さについて話す子も多くいた。その中で,交通を何とかしなければならないというたけるの意見をうけて予算の話になった。子どもたちの予算についての認識を深めるため,次時に和歌山県の歳入と歳出の話をすることを告げ,話し合いが終わった。
 調べた事実を整理して自分の考えの根拠をもたせたり,友達の説明の中で,考えの根拠となっている事実は何かを聞き取らせたりしながら,本時の中でその思いがクラス全体に伝わりました。和歌山県についていろんな角度から考え,意見交換し,多くの方から得た断片的な知識を概念的・統括的な知識に高めるための練り合い,高め合いの場になりました。そして,住民の和歌山県に対する期待や,地方公共団体の仕組みや役割について気づき,自分の目線で「望ましい和歌山県の姿」を考えると共に,自分は県民の一人であると共に,まちづくりの主役であるという認識を持ち,進んで地域にアプローチできる社会人として成長していくためのきっかけになったのではないでしょうか。今後も地域へ発信することにより,和歌山の将来を大切に考え,自ら行動する態度が育っていくことを願っています。今回,1学期の歴史と公民をつなげ,1年間をつなげて構想しました。常に「和歌山」と関連させながら進めていきました。しかし,地域教材すべてが身近というのではなく,身近であるから理解しやすいというわけではないと思っています。子どもたちが関わり合い,ともに学びを高めていくことは小さな社会です。話し合いで合意形成していく場は,将来社会の一員として行われる議論の場と同じものであることからも,さらに教材研究を丁寧に行い,教科内容に即したものを教材化していくことを考えていきたいです。
 
2.2つの授業から
 本単元を通して,さらにクラス全体に対話型学習が大好きな雰囲気を作ることができました。
 A児だけでなく,進んで地域にアプローチできる社会人として成長していくためのきっかけになった子がいたことを嬉しく思います。そして,クラスとしても社会科の学習を通して“和歌山(地域)を愛すること”の大切さを学びました。学習が終わった今でも,子どもたちの和歌山の未来に対する思いは強く,総合的な学習として,その学習を継続しています。着目児の変容からさらに多くの子どもが,社会的事象を比較したり,複数の社会的事象を結び付けて,関係を見出したりするなど,複数の側面から社会的事象を見ることができるようになりました。一方,複数の社会的事象を結び付ける思考は,社会的事象を比較し再構成する活動を繰り返すことをとおして,複数の側面から社会的事象を見る力がクラス全体にも育成されました。
 またその両極をみて第3者的に位置づける発展的な思考がうまれ全体へと広がっていきました。
 本時の振り返りでは,
 今日の授業は本当によくわかったし,サイコーに楽しかった。まず,和歌山市も和歌山県もいろんな都道府県と協力することで観光がって,和歌山県だけでなくて日本もよくなるんだなと思った。でも,最後の予算のことは,交通をよくするだけにお金を使うのには賛成できないなと思った。ぼくは今日の授業の事が小学校の中の思い出で一番になった。サイコーだった。
 A児は単元の振り返りでも「はじめは和歌山のことなんて知らないことばかりだったけど,実際に県庁や高野山,和歌浦へ行ってインタビューをしているうちに,問題や現実を知ることができて良かった。」と書いていました。また,市長や市役所,観光協会,まちづくりに関わるNPOの方々を招待した発表会で,地域に向かって発信された。生活の中の政治を認識できる地域教材として学ぶことができたのです。それは,授業中だけで社会認識を定着させることだけでなく,子どもが「使命感」をもって対話やインタビューした。このように,自分たちの住んでいる地域とのつながりの比較的薄い子どもたちにとって,身近な人々と関わり合う力を身につけることは,将来的にも必要なことだと思います。子どもたちが自分たちの地域社会の中で主体的に社会に参画できる力を育成するためにも,社会や社会事象に関わって「協働」で学び合うことが必要です。
 社会参画とは地域と双方向に交流することや地域むけ発信することだけではなく,教室に閉じない学びが大切です。「提案」「発信」することを意識した学習過程では常に習得・活用・探究を往還しながら子どもたちは学びを深めていきます。学習の過程で子どもたちの考えが収束,拡散を繰り返し,それぞれの学習過程を往還しながら社会認識を太らせていくことにより,よりよい社会に参画していく子どもが育ち,あらたな問題解決学習が成立すると考えています。
 また,それぞれの子どもの気づきは他の子どもに伝わり,仲間の考えを揺さぶることができました。本単元では指導助言の先生からも「本来の着目児の意味を成す授業であった」と言っていただきました。

21:14 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2018/01/16

ロボットボールを動かそう

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ロボットボールを動かそう
理科・3年担任:久保文人

1. はじめに
 本研究における主題を次のように考えました。
 学習指導要領改訂により,2020年度から小学校においてプログラミング教育が必修化されます。小学校では「身近な生活でコンピュータが活用されていることや,問題の解決には必要な手順があることに気付くこと」「コンピュータの働きを自分の生活に生かそうとする態度を身に付けること」をねらいとしています。
 「これまで自身が経験していないプログラミング教育を行うことに不安をいだいている」「プログラミング教育にどんなICT機器を使えばいいのかわからない」そんな先生方にプログラミング的思考を育む授業を考える一助になればと願い,提案させていただきました。

2.教材について
 本単元では,ロボットボール「Sphero」(図1)を活用します。Spheroを動かすためにいくつかの操作方法があります。例えば,ドライブモードでは,iPadがコントローラー代わりになって自分の思うように動かすことができます。プログラミングモードではiPadにいくつかのコードを入力して動かすことができます。もっと高度になれば,コードをテキスト入力して動かしたり,曲に合わせてボールを光らせたり,ボールに絵具を塗って描いたりすることができます。iPadで簡単に操作できる一方で,中々命令通りに動かない難しさもあります。
図1 Sphero本体

 今回は,iPadに「Sphero edu」のアプリをインストールし,学習を進めました。Sphero本体に,Sphero eduを開いた状態でiPadを近づけるとBluetoothで反応し,連動するようになります。iPadの画面をホーム画面に戻すと接続が終わります。

3.指導について
 3年生の実態とこれまでのICT機器との関わり,Spheroの特性を考えて指導計画を立てました。「さっきは遠くまで行き過ぎたから,次はもっと移動時間を短くしよう」「角度を80°にかえよう」と試行錯誤する姿を引き出したいと思いました。そのため,今回は子どもたちの操作を限定し,複雑なプログラミングを必要としない場を設定しました。具体的には,「回転」のコードと「停止」のコードを用いました。「回転」は進む方向・進む速さ・進む時間を設定することができます。「停止」は動いている動作を止めることができます。この「回転」と「停止」のコードを組み合わせてプログラミング的思考を育む授業を目指しました。
 
4.本時の姿と振り返り
 本時では,コースに設置された障害物をよけて走行する必要性を設定しました。まっすぐでしか進めないボールに,曲がる命令加えてボールを目的地まで動かすことを目指しました。授業の中で,「ちょっと行き過ぎたから,進む時間を減らそう」,「ちょっと足りなかったから,速さを速くしよう」「角度もうちょい開こうよ」など,命令を論理的に更新しようとしていく姿がたくさん見られました。(図2)
図2 論理的に考える子どもたち

 「Sphero」を扱う中で,子どもたちの論理的思考力の高まりを感じました。そして,「Sphero」が子どもたちの論理的思考を育むのに十分研究の余地がある教材だと感じました。

19:20 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/12/27

ICT機器で問題を共有

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ICT機器を活用して浸食・運搬・堆積について学習する子どもたち
~Googleearthで問題を共有~
理科・5年担任:岩﨑 仁
 
 「流れる水の働き」の学習で現地へ見学に行ったのにも関わらず,子どもたちに観察する見通しを明確にもたせられず,つい教師が引っ張ってしまうことはないでしょうか。これでは形骸化した問題解決型の学習になってしまいます。
 そこで今回提案するのは,この単元におけるICT機器を活用した学習です。まず,Google Earthを活用して紀ノ川の観察をじっくり行います。子どもたちは,上流と下流を比較したり,川幅を比較したりしながらたくさんのことに気づき始めます。













 個人の気づき→全体交流を通し,子どもたちは問題を共有していきます。クラスで共有した問題は3つでした。

①下流と上流で太さが違う→速さの違いによって削られたのか上流と下流で流れはどうなっているのか?
② 白い砂は何か?どこからか運ばれてきた→なぜ内側にたまるのか外側の流れが速い内と外で流れは違うのか?
③ 川の中の陸はどうしてできた?削れた?積もった?実際に山を作って実験すればわかる川の中の陸はどうしてできたのか?


                         
 問題を共有した子どもたちは,主体的にモデル実験をすすめました。そこから堆積・運搬・浸食の科学概念を体験的に習得していく姿が見られました。浸食という言葉は簡単に子どもたちに伝えることができます。しかし,子どもたちが実際に「浸食」という科学的な言葉を用いて説明できるようになるためには,このような主体的な問題解決・具体的な体験が必要になってくると考えています。


22:21 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/12/20

「みんなみんなたいせつ」

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「みんな みんな たいせつ」
道徳科・1年生担任:田中千映

1.他教科と単元を組んで
 道徳科の授業の中で、道徳的判断力や心情が培われても、その学びが態度につなげることが難しいという課題があります。態度につながらないという理由の一つには、授業のねらいとする道徳的価値の理解はしているものの、いざ行動に移すとなると、他の道徳的価値も関わってくることがあげられます。例えば、バスの中でおばあさんが立っているのを見つけて、「席をかわってあげなければ。」と思っても、声をかけるのが恥ずかしいといったようなことです。
 そこで、道徳科を中心に他教科・他領域を関連させた単元を組み、からめて扱うことで、実践意欲や態度につなげることができると考えます。

2.単元「みんな みんな たいせつ」の取り組み
 2学期、子どもたちは、学校・学級に慣れ、友達と楽しそうに学校生活を送る姿が見られるようになりましたが、まだまだ自分本位の行動や言動により、友達に嫌な思いをさせてしまうこともあります。また、この時期の子どもたちは、「命を大事に」「命がなかったら・・・」とは言うのですが、「おいしくご飯が食べられること」「学校に来てみんなと学習や生活ができること」などは当たり前のことで、「生きているからこそできる」とまでは考えていません。
 この単元では、子どもたちが頭では分かっている「命が大事」を、家族の思いや動植物への愛おしさ、自分の存在やよさを考えることを通して、改めて考えさせたいと思いました。また、生命そのもののかけがえのなさに気づいていく中で、自分だけでなく他者も大事にしたいという心情が育ち、互いの存在を大事にし合うことができると考えました。

生活科「いきものとなかよし」



 学校にいる烏骨鶏を触ったり、烏骨鶏のお部屋の掃除をしたりしました。触ったことがない子どもたちがほとんどでしたが、すぐに抱けるようになりました。烏骨鶏が好きだと聞いた葉っぱの野菜を家からもってきたり、烏骨鶏の気持ちを考えて抱けるようにもなりました。「烏骨鶏の部屋はちょっとくさい。」と言いながらも、エサや水替え、フンの掃除も交代で頑張りました。


道徳科「ぼくのしろくま」
 「しろくま」が大好きな主人公の「ぼく」が、いつか「しろくま」を飼い、自分を助け、守ってほしいと願っています。ところが、ぼくが思い描いていた「しろくま」とは程遠い鼠のような痩せ細った子猫の世話をすることになりました。世話を通してぼくの気持ちに変化が見られる話です。
 子どもたちと「どうして僕の家の子猫にすることにしたのか」を中心に話し合いました。僕の家の子猫にしようとしたのは、「だんだんかわいくなってきた」「子猫がかわいそう」「子猫の気持ちを考えて」という意見が出ました。世話していると子猫を愛おしく思えてくる気持ちや命を大切にする気持ちなどを考えることができたように思います。
 考えたことや思ったことを書く学習では、自分の飼っている動物のことを重ね合わせながら書いている子もいました。

道徳科「ハムスターのあかちゃん」
 生まれたばかりでお乳を飲んでいる赤ちゃんを見ているお母さんの気持ちや、口にくわえて運んでいる時の気持ち、生まれて十日たった時の気持ちを考えました。
 お乳を飲んでいる時は、「元気になって」「早く大きくなって」「大事にするから」「いっぱい飲んで育って」「ちゃんと育って」「赤ちゃんはどんな気持ちかな?」「いっしょに遊ぼうね」などの赤ちゃんを思う気持ち。生まれて十日たった時は、「生んでよかった」「大きくなってうれしいな」「ちゃんと育ってよかった」「生まれてきてくれてよかった」などの喜びの気持ちがいっぱいでした。
 そして最後に、「みんなのお家の人も、今までみんなのことをどんな気持ちで育ててくれているのだろう。」と子どもたちに聞いてみると、「ハムスターのお母さんと同じ気もちちがう?」「生まれてきてくれて、ありがとうかな。」と、子どもたち。
 「みんなのお家の方がどんなに思っているのか手紙が届いています」と、一人一人にお家の方からのお手紙を渡しました。みんな手紙を食い入るように読んでいました。あまりに嬉しくて、涙を流している子もいました。

 この後も、道徳科「ぼくは小さくてしろい」「いのちがあってよかった」、生活科「ひろがれえがお」、国語科「ずうっとずっと大すきだよ」を関連させながら、進めていきます。生命そのもののかけがえのなさに気づいていく中で、自分だけでなく他者も大事にしたいという心情が育ち、互いの存在を大事にし合うことができる子どもたちに育てていきたいと思います。



20:24 | 投票する | 投票数(4) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/12/15

マイディクショナリーで語彙力アップ!

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マイディクショナリーで語彙力アップ!
国語科・4年担任:宮脇 隼

 私が担任をしている学級では、図書の時間や朝の読書時間を利用して子どもたちの語彙を増やすための取り組みをしています。
 それが「マイディクショナリー」です。子どもたちには、一人一つずつ単語帳を与えます。そこに、読書をしていて意味がわからなかった言葉をどんどん書きためていきます。そして、その裏には言葉の意味を書きます。国語科で行う意味調べとは違い、読んでいる本が一人一人違うので子どもによってマイディクショナリーの中身は変わってきます。
 また、読書だけではなく「テレビを見ていたら…」「インターネットで知った」「家族が使っていた」など、マイディクショナリーに入れる「新語」はどんなものでも構いません。自分にとって、新たな出会いとなる言葉をどんどんためていきます。新語が一つ増えるごとに単語帳の紙も1枚増えていくので、自分の新語がどれだけ増えたのかが実感できるものになっています。
 現在、一番多くの新語を書き込んでいる子で単語帳5冊目になりました。
 この取り組みを始めてから子どもたちは辞書を引くことや、担任にわからない言葉の意味を聞くことが増えました。きっと、今までだったら読書をしていてわからない言葉があったとしても、なんとなく読んでいたり、読み飛ばしていたりしたかもしれません。そのように大まかな物語の流れを把握する読みもありますが、国語科でつけたい言葉に対する感性を磨くためには作者による言葉選びにこだわり、細かな表現に着目する読みをしてほしいと思っています。そのためにも「マイディクショナリー」は楽しみながら言葉に着目する子どもたちを増やす取り組みななったと思っています。

 最後に、クラスで行った活用方法と、子どもが編み出した活用方法を紹介したいと思います。
 一つ目は「新語」の交流です。コツコツためたマイディクショナリーの中から、これこそはというものを友だちに紹介するものです。左の写真は、自分が見つけた新語の中から友だちに紹介するものを選んでいる様子です。友だちの読んでいる本や、興味がある言葉に気づくきっかけになっています。
 二つ目は「インデックス」をつけることです。これは、教師からの働きかけで生まれたものではなく、ある子どもが自主的に始めたものです。単語帳だと、止めているリングを外すとカードをすぐにバラバラにすることができます。そんな単語帳だからこそできる楽しみ方だなと思い、子どもの発想の素晴らしさを感じました。
 今後も、子どもの語彙力を楽しみながらアップさせるために「マイディクショナリー」を使った実践を行なっていきたいと思います。

08:10 | 投票する | 投票数(3) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/12/05

ものの温度と体積

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ものの温度と体積
~ICT活用授業研究会より~
理科・4年担任:馬場敦義

 本単元では,ものを温めたり冷やしたりしたときにおこる現象から問いをもち,自分たちで疑問を見つけ,予想をしながらものの体積と温度の関係について追究します。
 ねらいに迫るため,ICT機器を活用した授業をご紹介します。 

【本時の展開】
 こちらのPDFをご覧ください。

【授業の実際】
 本時は,水をあたためたり冷やしたりすることで,体積が変化するのかを調べていく授業です。前時において空気をあたためたり冷やしたりすると,ガラス管内のゼリーが変化することで体積が変化したことをわかっています。同様に,フラスコとガラス管付きゴム栓を使うことで,水もあたためたり冷やしたりすると,ガラス管内の水面が変化することをたしかめていきました。その際,タブレット端末で実験を動画撮影し,結果を交流するときに活用させるようにました。また,実験からわかったことをタブレット端末に書かせていくことで,グループ内の話し合いを活発になるようにしました。

【タブレット端末活用のポイント】
① 水を温める実験の様子をカメラ機能で撮影
 水を温める実験をする班が3つ,水を冷やす班が4つと自分たちが確かめていきたい実験が違っていました。そこで,それぞれの実験を動画に撮影をしていくことにしました。タブレット端末の動画撮影機能を使うと簡単に撮影をすることができ,後から振り返ることも容易にできました。


② 撮影した動画とともに実験結果を発表する
 子どもたちは温める実験と冷やす実験のどちらの実験の予想もしているので,自分が実験していない方の結果も気になっていました。そのため,他の班の実験動画に対しても関心が高かったのです。実験の結果は,A3の紙に班ごとに書かせてホワイトボードに貼らせました。このようにすることで結果がどのようになったのかが明確になるからです。その上で,動画で実験 を振り返っていくことで,あたかも自分も実験をしたように捉えることがで きていました。



③ 2つのチームの考えを集約する
 画面合体機能を活用し,まずは考えが書かれている2ずつの2つのチームのスライドを合体させます。その後,すぐに画面合体の解除を行いました。そうすることにより,1枚のスライドに2つのチームの考えが集約されます。あたためる実験をしたチームの2人とひやす実験をしたチームの2人がそれぞれの考えをまとめることになり,考えの比較を容易に行うことができました。


00:17 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/11/30

健やかな心と体を育む

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健やかな心と体を育む
~実感の伴う体験的な食育~
栄養教諭:神山求実

 食育では,子どもたちが「食べもの」「食文化」「正しい食習慣」のことをもっと知り,興味関心をもって食と自分を見つめ直し,主体的にかかわり実践していく力がつくようにと願っています。そのため,食育学習の取り組みでは,“五感活動”や“ほんまもん体験”を大切にした学習展開を実施しています。また,食事マナーや食事を通じた人間関係形成能力が身につくような指導を発達段階に応じて各学年系統立てた学習工夫を行っています。
 これらの学習場面では,より良い効果をあげるために,子どもたちに同じ「食」の場面と関連させることができる「給食」を生きた教材として活用しています。
 子どもたちが将来,保護者のもとを離れ生活をするようになったとき,自分自身の食生活や健康管理に正しい知識と判断力をもってかかわることができるよう,その基盤や素地を育んでいきたいと考えています。そして,子どもたちには,生涯に渡って役立つ食に関する正しい知識と望ましい食習慣が身についてほしいと願っています。

◯生活科・国語科と関連させた食育
 2年生「春の香りを感じとろう!“ふき”」
 給食献立の中に,教科と関連させたメニューを実施しています。2年生の国語の学習「ふきのとう」と関連させ,ふきを使用した「ふき入りまぜごはん」があります。
 4月,教室では「ふきの香り」が春の訪れを知らせてくれています。教室や子どもたちの手には,ほろ苦い春の匂いが漂っています。ふきを板ずりし,スジとりが始まりました。子どもたちからは「ふき」を初めて触り「大きな葉っぱだね」「すごく長いね」「食べるところはどこ?」など話します。不思議発見や「ふき」と「ふきのとう」の関連性などを探っていきました。
 子どもたちは,五感を生かしてふきの特徴などを身近に感じとります。春の独特な香りを感じたり,形や色の変化など見つけたり,肌で触れた触感に声をあげたり,友だちの新しい発見に耳を傾けたりします。

子どもたちのつぶやき
・わぁ~大きな葉っぱだ!
・長いスジをはがすことができよ!
・苦そうな匂いがするよ!
・この匂いなんだかわからないけど春って感じ!
・今日の給食に出るんだね!
・ふきのとうは、花のつぼみだね!

◯総合的な学習の時間・学級活動・図画工作と関連させた食育
 和歌山県の特産品である「梅・桃・柿」学習では,食材の特色や栄養などの話をしました。3年生では,先人が生み出した「知恵」「工夫」が詰まった“梅ジュース”をみんなで協力しながら作りました。子どもたちは,手間をかけることで保存食として梅が活用されることを体験できたようです。このような取り組みを通して,子どもたちが和歌山の食文化の伝承を受け継ぐきっかけとなってほしいです。




子どもたちの感想
・「うめ」は,とてもあまいにおいがしていました。「もも」のにおいと似ています。
・みんなで「おいしくな~れ!おいしくな~れ!」と声をかけながら,うめジュースをつくりました。暑くなったら,飲むことができるので楽しみです。
・うめは,梅干しに変身することができます。今日は,うめジュースに変身させました。

◯国語科・総合的な学習の時間と関連させた食育
 3年生が国語「すがたをかえる大豆」を学習します。変身していく大豆の様子を豆腐づくりの職人さんから学び,実際に美味しい豆腐づくりに挑戦しました。
 豆腐づくりの職人さんは,鍋から取り出した熱い“ご”を袋に入れて絞り始めます。絞っても絞ってもまだまだ白い液汁が出てきます。手の平が熱くて真っ赤に…。どんどんと絞り込みます。この白い液汁が,“豆乳”です。袋の中には,“おから”が包み込まれています。

子どもの感想
・豆腐づくりで難しかったところは,おからと豆乳を分けるところです。パサパサさせるといわれたけど力が何人でやっても無理で難しかった。
・にがりと豆乳をまぜるのがむずかしかったです。タイミングがよくわからなくて,でも,前田さんがいってくれたからできました。それがうれしかったです。

◯社会・総合学習と関連させた食育
 4年生は、筆のような形をした「みょうたん」という品種の渋柿を使用して「つるし柿づくり」をしました。授業中に子どもたちに「渋い柿って・・・“渋い”ってどんな感じ?」と質問すると,なかなか言葉で表現し難いものでした。「苦い」と「渋い」の味覚の違いが曖昧な発言となっている様子です。そこで,実際に渋柿を食べてみることに・・・さて,どの子も目を細めて「へぇ~これなに!」「口の中、ガサガサ!」「だ液がなくなったよ!」「こんなのはじめて!」と驚きの声を上げていました。

 11月、和歌山県の伊都地方四郷の里では,「つるし柿・串柿づくり」で多忙な時季です。農家さんの軒は,一面オレンジ色のカーテンをひいたかのような風景となります。私たちの作った“つるし柿”も,冬の寒風と柔らかな日ざしを浴びて「甘い柿」に変身していきます。「つるし柿,早く甘くな~れ!」

 

◯生活科と関連させた食育
 「どうして,給食には毎日牛乳がついているの?」と疑問に思う子どもち…。ゲストティーチャー(牛乳協会)さんのお話を聞き,“牛乳パワー”について新たなる発見や問題解決の糸口を見つけることができました。
 子どもたちは,牛乳とクリームが入った容器を腕が疲れるくらいしっかりとよく振りました。そして耳を澄ませ,「ピチャピチャ」「コロコロ」という音の変化を聞きとりながら,バターミルクとバターづくりを体験しました。


子どもの感想
・牛乳の勉強をして,ビタミンは少ないけど,カルシウムは多いと初めて知りました。
・牛乳はカルシウムが多い。牛乳を飲むことで手の骨も出来ていきます。
・家でバターをよく使うので,家でも作ってみたいです。

10:37 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/11/29

おいしい秋カレー

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おいしい秋カレー
~秋探しから、おいしい秋カレー作りへ~
生活科・1年担任:上田恵

○9月になって見つかる虫が変わってきた!
 2学期になってすぐ,秋探しを始めました。まだ暑い中でしたが,7月にはたくさんいたチョウやバッタの数が減り,大きくなったカマキリやコオロギが増えてきたこと,イチョウの木の下にギンナンが落ちていること,アゲハが集まっていた“アゲハの木”に花がなくなり実になってしまったので,アゲハが集まらなくなったことなどを見つけました。
 また,家でのくらしを振り返ると,寝ている時に夏は布団を蹴っていたけど,今は朝までかぶっていることや,そうめんなどの冷たい食事が減ってきたこと,長袖を着ることがあることなどにも気がつきました。

○季節と食
 夏とは違う食事・・・。料理も違うけど,秋においしい食べ物があるはずだと,近所のスーパー2軒に出かけ,秋の味覚探しをしました。
 スーパーには,秋の果物や野菜だけでなく,それらを材料にしたお菓子のコーナーや,鍋つゆ,カレー,シチューコーナーなどもありました。見つけた「秋の味覚」を画用紙に描く作業の熱心なこと。予定時間をどんどん超えていきます。
 「いっそ,紙粘土で作ってみる?」「やったー!」色や形,長さ,触った感じなどにこだわって作りました。

○おいしい秋カレープロジェクト
 畑のサツマイモも気になる子どもたちは,秋の食材を使って何か料理がしたいと考えるようになりました。
 みんなが最も「作りたい」「食べたい」と思ったのはカレーです。おいしい秋カレーを作ろうプロジェクトの始まりです。
 4人組で,「おいしい秋カレー」を考えました。

 はじめの話し合いでは,果物ばかり 何もかも入れている 隠し味だけ・・・と,なかなかまとまりませんでした。そこで,「おいしい秋カレー」のポイントを確かめました。
 ・そのまま食べた方がおいしいもの
 ・カレーに入れるとおいしくなりそうなもの
 ・他の料理の方が合いそうなもの
 ・「おいしい秋」がテーマ 秋の食材!
 ・隠し味でオリジナル
 ・考えたカレーには名前を付けよう

○めざせ 投票一位
「投票で一位になったグループのおいしい秋カレーをみんなで作ろう!」
 そうして,8グループ8種類のカレーが出そろいました。そして投票。
 一位は決まりましたが,「では,そのカレーをみんなで作りましょう」と言うと,どようんとした空気が・・・ 「え? そうなん・・・」
 自分たちで考えたカレーには愛着があり,諦め切れない様子。「自分らの作りたかったあ!」の声に,8グループがそれぞれグループ毎のカレーを作ることになりました。

○おいしい? うん。やったー! ガッツポーズ
 カレー作りの日,保護者の方の生活科ボランティアさんに各グループについていただき,8グループ分のカレーができました。
 別のグループの味見タイムに,味見をした友だちが「おいしい」というと,「よっしゃあ!」とガッツポーズする子どもたち,自信たっぷりでした。
 保護者ボランティアさんたちも,それぞれ味見をされたそうで,感想を伺うと,「8グループとも全く味が違って驚いた。同じルウで作ってるとは思えない。」「サンマの味噌煮缶入りは,コクがあってとてもおいしかった。」「いつも同じような食材で作ってるけど,いろいろやってみようと思う。」

○季節とくらし
 今回は,秋の食材と食事の学習をしました。日本には四季があり,季節にあわせた暮らし方が日本の文化を作っています。季節に合わせた暮らしに注目した学習を続けたいと思います。


21:18 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/11/10

“線”の表情を感じよう

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“線”の表情を感じよう
~身体の動きが生み出す線~
図画工作科・5年担任:西原有香莉

 学年が上がるにつれて,図工の時間が苦手という子どもが出てくることがあります。そんな子どもたちの根底には,「見たものを,そっくりに描きたい。」という意識や,「絵が上手=写実的表現が巧みである」といった,意識があるのではないかと考えます。しかし,図工は,自分なりの表現を生み出すことを楽しむ時間です。写真のような絵を描いたり,あるものそっくりの工作をつくったりすることだけではなく,表現活動自体を楽しめるような図工の時間にしたいと思い,以下のような題材に取り組んでみました。

(1)“線”を描こう
 普段から,線を使って字や記号を書いています。しかし,そのような“線”が,描き方1つで実は様々な表情を見せることがあります。そこで,今回は“線”が生み出す表現の世界を体験する題材に取り組みました。
 描画材は,毛筆用の筆と墨を使い,時間を制限して一筆で線を描くことに取り組みました。
 まずは2秒。紙の上で急いで筆を走らせ,描き出した線は,ところどころ切れたりかすれたりしていました。
 次は15秒。ゆっくり描いた線は,太く,どっしりとしていました。
同児童による作品(左:2秒,右:15秒)

 「速くかいた方は勢いがあるけど,ゆっくりかいた方は太くて線がゆれている」や「速くかいた方が忙しい感じがする」といったように線の見せる表情が全く違うことに気づいていました。

(2)自分なりの“線”を描いてみよう!
 線が様々な表情を見せることを知った子どもたち。次は,自分なりの描きたい線を目指し,活動に取り組みました。手首をかえして線に動きを出したり,筆を浮かしてとにかく細い線を描くことにこだわったり,多様な子どもたちの活動の姿が見られました。
 その後,描き出した線に,オノマトペで「〇〇な線」と名付ける活動をしました。この時,自分の線だけでなく互いの線を見合い,名付け合うこともしました。そうすると,同じ線を見ていても全く違うオノマトペがでることがあり,それぞれがもつ感覚の違いに驚いている姿も見られました。また,「線だけなのにかっこいい」という感想をもつ子どもがいたことから,線のもつ表現性を感じ取っていることを実感しました。

 子どもたちが,自分の表現の価値に気づいて活動に自信をもったり,自分なりの表現を生み出していく楽しさを味わったりできる図画工作科の時間をつくっていきたいと思います。

22:32 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/10/26

誰もが学びあえる教室

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誰もが学びあえる教室
~算数的な活動を通して~
算数科・複式低学年担任:川村繁博

1.誰もが学びあえる教室
 子どもたち誰しも自分の思いをもち,話したい・聞いてほしいという思いに満ちあふれています。しかし,教室の中では,その気持ちとは裏腹に「話したい,でも…。」という葛藤の中で,自分の思いを表現することに戸惑いながら過ごすも子どもたちもいるではないでしょうか。
 他者によって導かれた解法をなぞるだけの授業ほど退屈なものはありません。また,その学びから思考の高まりを期待することは難しいのではないでしょうか。子どもたちが主体的に学び,自己との対話や他者との対話を通し,1時間の学びの中で自己の高まりや学ぶことの喜びを感じることのできる授業を目指したいと考えています。
 子どもたちが自分自身の課題や考えをもち,必要性や必然性の中から疑問を抱いたときに能動的な学びが始まります。それらの課題や思考に対して新たな思考が加わったとき課題意識は深化します。また,自分の考えを表現できたときに学ぶことの喜びを感じることができます。
 子どもたちが授業の中で自己肯定感をもち,ありのままの自分を素直に表現し,伝え合い学び合う子どもたちの姿を実現するために,数学的な思考力を育む算数科指導の在り方を考えていきたいと思っています。

2.できるから分かる学びへ
 「答えは分かるけど,説明はできない。」
 授業の中で,聞かれる子どもたちの声です。先行学習の進む子どもたちにもよく見られる姿です。「分かる」ではなく「答えが出せる」という表現が当てはまるのではないでしょうか。子どもたちが本当に課題を把握し,その意味を理解していればこの言葉は聞かれることはないでしょう。
 では,その要因は何でしょう。それは,子どもたちにその課題に迫る必要性や必然性がないからだと考えます。「解を求めるだけの授業」を繰り返していては,そこから逃れることはできません。子どもたちの知りたいという欲求にせまり,課題に目的をもたせることが重要なのです。
 子どもたちの日常生活に密接に結びついた課題であり,知りたいという知的好奇心を揺さぶり,子どもたちの中に必要性や必然性が生まれたとき,初めて主体的な学びへと向かうのではないでしょうか。

3.低学年時における複式教育の学び
 子どもたちはもともと柔軟な思考力の素地をもっています。しかし,低学年時における子どもたちは,まだ,自分の思考を表現する術を十分にはもち合わせていません。言葉による表現がまだ十分に育っていない1年生には,互いの考えを共有し理解していくことは困難な場面がよく見られます。自分の考えをもっていてもそれらを表現する術がなければ,互いの考えを理解しながら話し合うことはできません。学び合う姿を実現するためには,教室にいる全ての子どもたちが課題を的確に捉え,互いの考えを伝えあい共有することが必要不可欠であると考えています。
 視覚的にとらえることのできる具体物や絵図は,課題場面をつかませ,共有化を図ることにおいても有効なものです。また,子どもたちが思考場面を再現したり,手に触れ操作したりすることによって思考を確立することに適した材料だと言えるでしょう。この有効性を活かし,複式学級における子どもたちの主体的な学びにつなげたいと考えています。

4.2017教育研究発表会では…
 第1学年「おおいほう すくないほう」では,加法や減法の学習を踏まえて「あわせて」「ふえると」「のこりは」「ちがいは」という言葉だけに依存せず,加法や減法となる根拠を,図や具体物を用いて説明する過程を重視したいと考えています。さらに,加法や減法が用いられる場合を一般化し,加法や減法の意味理解を図ります。
 第2学年「分数」では,簡単な分数をつくったり,比べたりする活動を通して分数の意味理解を深めることにより,分数の素地的な学習を展開します。具体的な活動を行うことで分割分数を捉えることにより,後に学習する量分数との違いに気付き,分数が用いられる場面を捉えられることを目指します。

23:40 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/09/30

My(マエ) Way(ウエ) ジャンプ!

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「走・跳の運動(跳びっこ運動)」
~My(マエ) Way(ウエ) ジャンプ!~
体育科・3年生担任:則藤一起
 

 中学年の走・跳の運動では,低学年の走・跳の運動遊びの学習を踏まえ,運動の楽しさや喜びに触れます。その行い方を知るとともに,かけっこ・リレー,小型ハードル走,幅跳び,高跳びなどの基本的な動きや技能を身に付けるようにし,高学年の陸上運動の学習につなげていくことが求められます。本単元では,「跳」の運動に重点を置き,3年生の1学期でまだまだ幼さも残るこの時期に,色々な場を用意し,「前へ上へ」と様々な跳び方を楽しませたいと考えました。跳の運動遊びに近いですが,跳ぶ動き自体の楽しさや心地よさを大切にしながら,意欲的に取り組むことができるようにした実践です。


(1)場の動き

①ケンパーリングジャンプ

「リングに合わせジャンプ!」


②小さな島わたりジャンプ

「島から島へと落ちないようにジャンプ!」


③ゴムとびジャンプ

「上に高くジャンプ!」


④島わたりジャンプ

「大きな島にしっかり跳び移る!」


⑤跳び箱ジャンプ

「ゴムよりもっと上にジャンプ!!」


⑥ペットボトルジャンプ

「ペットボトルをえいっ!」


(2)子どものカードより

・助走をつけても,跳ぶときに止まったら意味がない。

・ゴムを右足から入るといけた。

・跳んで何度も島から島へ行くのをがんばりました。

・ペットボトルのところ:真下でジャンプするとできなくて,Aくんのように走ってするとできた。

・ゴム跳びで8の字みたいに片足で跳んだらやりやすい。

・得意な踏み切り足がある。

・ゴム跳びで8の字みたいにしてもできなかったから,跳ぶときに足をお腹につける。

・ふみつぶすようにとんだらいったん止まってしまうから,飛行機が飛ぶようにいけばいい。

 体の動かし方について,様々な言葉が出てきました。それらを共有させるために,壁面に掲示しました。また後半は,ミッションを考えて取り組みました。











・黄色ブロックで飛び越えて,ピタッと着地することができた。

・ゴム跳びでちょっと近くから走っても跳べるようになりました。

・オレンジボックスでBくんが言ってた近くから走って跳ぶに挑戦しました。


 後半は,着地のことや助走の仕方について考えた子の言葉をもとに,取り組みました。


 どの子も「前へ上へ」とたくさんジャンプし,楽しみながらそれぞれの場で活動しました。子どもの言葉から動きを示すことで,「私もやってみよう」と,次時につなげながら取り組むことができました。


21:42 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 実践・授業紹介
2017/09/30

子どもアクションプランでごみ減量!

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子どもアクションプランでごみ減量!
社会科・4年生担任:中山和幸

 「社会科では,よりよい社会をつくる担い手を育てたい。」私はこのような願いをもって社会科の学習づくりに臨んでいます。
 よりよい社会をつくる担い手を育てるために,重要な力とは一体何でしょうか。そして,そのような力を育むことができる学習とは一体どのようなものなのでしょうか。
 私は,その答えとして「社会を考察する力」と「よりよい社会を構想する力」を挙げたいと思います。また,それらの力を育てるためには,「社会的事象を考察する学習過程からよりよい社会の構想へとつながる学習過程」を意識した単元づくりが必要だと考えます。今回は,その「社会的事象を考察する過程からよりよい社会の構想へと移行していく学習過程」に焦点をあてた実践を紹介します。

(1)社会的事象を考察する学習過程
 地域のリサイクル業者やクリーンセンターの見学(右写真)を通して,子どもたちは,ごみの処理にかかわる人々の様々な工夫や努力を目の当たりにしました。また,調査活動を行う中でパッカー車によるごみの回収が計画的に行われていることなども知りました。そのような子どもたちが次に目を向けたのは,和歌山市の環境部の方々の取り組みでした。
 そこで和歌山市環境部の方に出前授業(右写真下)に来ていただき,お話を聞く中で子どもたちは次のようなことを知りました。
 ①和歌山市では全国平均に比べて,一人あたりのごみ排出量が多いことが問題となっており,平成22年度から平成32年度の10年間で約30%のごみの減量を目標にしていること。
 ②その目標を達成するために「和歌山市ごみ減量アクションプラン」をつくったこと。
 ③前半の5年間で一人あたり120gのごみの減量に成功しており,後半の5年間で一人あたりさらに180gのごみの減量をする必要があること。
 ④家庭から出るごみの約47%が生ごみであるということ。
 ⑤ごみが増え続けると,大阪の埋め立て地がいっぱいになり,困ること。
 
 そこで,子どもたちが抱いた思いが次のようなものでした。

 埋め立て地がいっぱいになったら、どうしよう。ぼくたちもごみを減らすことに協力したいな。

 このような思いを出発点として,その後の話し合いで決定したことが,ごみ減量子どもアクションプランをつくって、実践することでした。

 このように子どもたちは,和歌山市のごみの現状や和歌山市の取り組みといった「社会的事象」を「考察」する中で,現在,和歌山市が直面している現実の問題を見出し,「その問題を解決するために自分たちにできることを考える」という「よりよい社会を構想する」ことを主とした学習過程に入っていきました。

(2)よりよい社会を構想する学習過程
①ごみ減量子どもアクションプランをつくろう。
 子どもたちは,「問題の解決のために自分たちができること」の一つの答えとして,「ごみ減量子どもアクションプラン」をつくることにしました。
 話し合いを通して,次のようなアクションプランをつくりました。

 ≪ごみ減量子どもアクションプラン≫
①マイ○○作戦(リデュース)
 ・マイバッグ,マイはしなど,マイ○○を使ってごみを減らそう!
②生ごみを減量作戦(リデュース)
 ・食べ物を買うときは必要な分だけ買おう!
 ・賞味期限・消費期限をチェックしよう!
(食べ残し,買ったけれども使わないまま捨ててしまう食べ物がごみの量が増える大きな原因です。)
 ・ものは,こわれないように長く大切に使おう。
③捨てるの待って作戦(リユース)
 ・こわれたものでも修理して使えるものは使おう。
 ・自分が使わなくなったものでもバザーやフリーマーケットに出したり,リサイクルショップに持って行ったりすると,他の人が使えるかも。
④ごみ分別作戦(リサイクル)
・ごみを分別して捨てよう!ペットボトル,ビン,カンは中を洗って捨てよう!
 (ごみの分別が,ごみのリサイクルにつながります。ペットボトル,ビン,カンの中に残っているものがくさるとすごいにおいがするので,中を洗って捨てよう。)
 ・エコマーク,Rマークがついているものを選んで使おう。
 (リサイクルされた製品を使うと,環境にやさしいよ。)


②子どもアクションプランを和歌山市報にのせてもらって広報しよう。
 続いて,自分たちで考えた「子どもアクションプラン」をできるだけたくさんの人に伝えるにはどのような方法があるか考えました。
 ポスターをはる,家の人に伝える,アクションプランPR動画をつくるなど,たくさんの意見が出ましたが,和歌山市報に自分たちの取り組みをのせてもらうことで,たくさんの人たちに知ってもらえるのではないかという意見に多くの子どもが賛成し,和歌山市環境部の方にお願いして,和歌山市報に自分たちの取り組みをのせてもらうことにしました。
 平成29年度2月号の和歌山市報「りりくる通信」に取り組みをのせてもらうことに決まっています。

③単元のその後
 「社会的事象を考察する学習過程からよりよい社会の構想へとつながる学習過程」を経て,自分たちが考えたごみ減量子どもアクションプランを和歌山市民に広報するというかたちで単元を終えた子どもたちでしたが,子どもたちのアクションプランは,単元後も続いています。ごみの内訳として「生ごみ」が多いことを知っている子どもたちの中には,毎日のように給食時間に「食べ残しをしないようにしよう」ということを呼びかける子どもがいます。
 また,学校内にコンポストを設置することで,「生ごみ」を堆肥にして,再利用できるようにしようと計画している子どももいます。
 さらには,「紙ごみが多いことを何とかしたい」と考え,単元後も「各クラスに紙の回収箱を設置する計画」をしている子もいます。
 このような姿は社会科の授業内に留まらず,「社会的事象を考察し,よりよい社会を構想すること」を実生活の中で行っている姿といえると思います。このように,実社会で生かすことができる資質・能力及び態度を身につけさせることができるような学習をこれからも実現できるようにしたいと考えています。

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広報誌 『LIVE創REATOR(らいぶつくりえいたー)』

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