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2020/07/28

第3学年体育科 「スーパージャンパーになろう」

Tweet ThisSend to Facebook | by ぽんた
校内研振り返り
教科等:第3学年体育科「スーパージャンパーになろう」
授業者:湊本祐也
指導案:こちら(PDF)

1.授業づくりの「しかけ」と子どもの探究
 動画撮影及び視聴を学習活動に取り入れる取り組みは,6月に実施した前単元の「マット運動」から始まっている。まだ導入期にあたる時期のため,撮影する側,撮影される側双方の練習が今後も必要である。さらに,運動に関わる語彙を豊かにしていきつつ子ども同士で共有し,学びあえるように発展させたい。
 子どもたちが動画を撮影し合う中で,自然とコミュニケーションが生まれる場面が多く見られた。「しっかり足が上がっているね」や「ゴムひもよりもすごく上の方を跳んでいる」などの友だちをほめるような発言や,「もうちょっと踏み切りが手前の方がいいよ」「踏み切りの足が反対になっているよ」などの友だちの運動に対するアドバイスも多く生まれた。
 運動を動画として残すことは,単に活動を記録するだけのものでなく…つまり「撮って終わり」「観て終わり」ではなく,そこから何を考え,次の運動につなげていくことが大切である。そのために自分や友だちの運動を積極的に言語化し,共有することは豊かな学び合いへとつながる。体育科における諸活動に主体的に取り組み,よりよい運動をめざし,友だちと協力して探究していくような授業づくりの仕掛けを,今後も考え実践していきたい。
 

2.本時における教師による評価
 子どもの個々の運動に対して価値づけることは,子どもがもつ運動に対する心情やモチベーションに大きく影響する。高跳びの運動を「跳べている」「跳べていない」の二極化で捉えるのではなく,「跳べていたとしても,ふみきりの位置が遠すぎる」「跳べていないけど,助走のリズムが良かった」などの,より一歩踏み込んだ視点を子ども自身がもち,自分や友だちの運動を分析する視点に気付かせる評価活動をすることが,運動技能の向上に寄与することは間違いない。そこから自らの課題を再認識し,そのめあてを達成するために必要な練習をすることが大切である。つまり,メタ認知能力を働かせることが重要である。
 本時における子どもの振り返りには,
「安全に怪我をせずに跳べてよかったです。次は,〇〇さんに教えてあげたいです。」
「〇〇さんは左足がひっかかっていたけど,あとちょっとで跳べそうでした。」
「今日は〇〇さんが跳んでいるところを見て,すごいと思いました。」
などの友だちの運動を意識するものがあった。
 他にも,
「95cmは跳べたけれど,少しよろついていたので,次はぐらつかないで跳びたいです。」
「左足がひっかかっていたので,左足がひっかからないようにしたいです。」
「今日の僕の動画を見たら,もうちょっとでゴムに当たりそうだった。」
といった,自分の運動を動画によって振り返っている子どももいた。練習や動画の視聴の中から,明確に自己の課題を見つけ,評価できている子どももいるが,ただ「高さ」に拘り,「助走」「ふみきり」「ジャンプ」「着地」の諸要素に着目するまでに至っていない振り返りも多く見られた。自分や友だちの運動を多角的に分析し,言語化できるように指導していきたい。

3.まとめ
 子ども一人ひとりが体育の運動に積極的に関わり,楽しさを感じることが何よりも大切である。友だちとの交流の中で互いに技能を磨き,思考していく場面は重要である。そのための学習環境の設定や教具・教材を効果的に活用していくことが,探究の質を高める「しかけ」となる。指導者として子ども一人ひとりの運動能力や特性を仔細に把握し,適切な支援を行いつつ子ども同士が学び合える学習を今後も展開していきたい。

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