6月14日(土)本校複式学級におきまして,第17回複式授業研究会を行いました。近畿各府県を中心に,遠くは山口県など130名以上の方々がお越しくださいました。
12Fは,算数科です。
1年生では,合併と増加場面の情景図から想像して話し合いました。2つの場面を比較して事象をつかみ,その違いを捉えた上で同じ加法の演算決定ができるという総合的な見方を養うことをねらいとしました。
子どもたちは,それぞれ対になった情景図を比べて違いを考えたり,ブロックを使ったりして事象を再現し,違いを探ることができました。

2年生は,加法や減法が適用される逆思考の場面について,図を用いて数量の相互関係をつかませることをねらいとしました。また,全体量と部分量を求める問題を比較することで,数量関係をつかませることを目指しました。子どもたちは,式や円図,テープ図を用いてそれぞれの問題場面を捉えて解を求めることができました。本時の目標であったテープ図を用いた比較は次時の課題となりましたが,子どもたちが自分の考えを思い思いに表現し伝えようとする姿に複式の子どもたちの逞しさを感じました。
34Fは国語科です。説明文を取り上げて学習しました。
3年生は説明文の「中」にどんなことを書けば昔遊びの楽しさが伝わるのかを考えました。子どもたちは教師の説明文を見て「中の部分が短い」「楽しさが伝わらない」と気づきました。
そして子どもたちが感じたことを「こまを楽しむ」の文章をもとに読み進めました。「中」には問いに対する答えがあるということだけではなく,こまの楽しみ方や特徴(色・大きさ)が書かれていることに着目しながら学習することができました。

4年生は,「動いて,考えて,また動く」を読んで,筆者が一番言いたいことが書かれている段落を探しました。子どもたちからは第8段落に筆者の考えが書かれているという意見が出されました。しかし,意見を交流する中で1の段落にも筆者の言いたい
ことが書かれていることに気づく子
が出てきました。「動いて,また考える」「成功や失敗を繰り返しながら工夫を重ねる」といった同じ事が書かれていることに気づいたのです。双活型という文章構成をおさえる大切な学習だったと思います。

授業を終えてどちらの学年も「子どもたちがどんな考えをもつのか」というみとりが不十分だと感じました。教師としてのみとりだけでなく,子どもたちの目線に立ったみとりが今後大切になると実感しました。また,子どもたちが主体的に学習を進めていく中で,1時間の授業のまとめや振り返りも子どもたちの言葉でつくっていくことができるよう,指導したいと思います。
56Fは,総合的な学習の時間です。
「どうすれば演者も見に来た人も楽しめる落語会になるのだろうか」について5・6年生で話し合いました。まず,それぞれの学年が互いに計画案を伝えました。そして,相手学年の良い点,改善点を伝え合いました。5年生と6年生の計画案で大きく異なったのは,マジック・大喜利をどうするのかということでした。
5年生は,みんなが楽しめるということを最も大事にしていました。事前アンケートで「マジックを楽しみにしている子が多いので,マジックをたくさんしたい。」と考えていました。
6年生は,落語にこだわり「落語の楽しさを伝えたい」と考えていました。そのため,大喜利を工夫する案を伝えました。この考えのズレがあったことで話し合いを意欲的に進めることができたと考えています。


授業後の分科会では,複式教育と教科についてご参会いただいた先生方から積極的なご意見やご質問をいただきました。複式教育や教科の特性を活かした指導や支援の在り方について,改めて研修を深める貴重な時間となりました。また,交流会では教科学習の枠を越え,各学校での取り組みや普段の悩みを率直に語り合い,大変有意義な時間となりました。
皆様方からいただいたご意見をもとに,今後とも複式教育の在り方を研究していきたいと思います。また,10月28日(土)の教育研究発表会2017では,さらに成長した子どもたちの姿をご覧いただきたいと思っています。ぜひ,ご参会くださいますようよろしくお願いいたします。