異学年で学び合う複式学級
複式学級の大きな良さには,縦のつながりがあります。上学年(4年生)と下学年(3年生)が学んだことを互いに交流することで,より学びを深めることができると考えました。以下は3・4年生国語科での実践です。
【心に残ったお気に入りの本を紹介しよう】
3年生は「モチモチの木」,4年生は「ごんぎつね」を学習しました。そして,両学年の言語活動を『登場人物になりきった日記を書きながら学習を進める』と設定して取り組んできました。お気に入りの本を紹介する時には,3・4年生が互いにおすすめの本を紹介しました。
図1:3年生の手助けをする4年生
4年生は,3年生が発表する手助け(図1)をしたり,感想を伝えたりする姿を見ることができました。子どもたちから「感想を言いたい」という声が出ました。驚いたのは3年生全員が感想をもらえたことです。本の魅力を伝え合うことができたようで,子どもたちは嬉しそうな表情を浮かべていました。
この活動以降は,紹介された本を読み始める子が増えてきました。異学年が同じ活動を通して学習することで互いの良さを感じることができ,読書の幅が広がったように感じます。(図2)
【異学年交流で深まる国語科の学習】
3年生が,資料から分かったことを発表する学習がありました。当初は,3年生だけで発表してふり返る予定でしたが,4年生から「発表を聞きたい」という声があがったので3年生と4年生で学習することにしました。
4年生は,発表の際に「聞き取りメモのくふう」で学習したメモのとり方を生かし,3年生の良かったことをメモし,伝えることができました。「表を指さすことでどこに注目すればよいか分かりやすい(図3)」「なぜそう考えたのか理由が入っている」「全国の小学生の数の変化がよくわかった」など4年生だからこその意見があり,よりよい発表にするための大事なポイントについて学ぶことができました。
図3:発表の様子 4年生は,昨年度できていなかったことやもっと相手に分かりやすく伝える工夫などをふり返ることができました。(図4)紙ばかり見るのではなく相手の方を見て発表する,自分の考えを述べる,比較を使うことで説得力が増すなどの学びがありました。
図4:3年生の後ろで学ぶ