和歌山大学教育学部附属小学校
 


教育研究発表会ご参加の御礼

   去る,11月2日(土)に開催いたしました2013年度教育研究発表会は,お天気にも恵まれ,和歌山県内外から500名を越える方々にご参加いただきました。お忙しいなか,多数の皆様にご参加をいただきましたこと,心から御礼申し上げます。
   当日,午前中は,「学びをデザインする子どもたち~つなぐ・つむぐ・つくる~」という研究主題を受けて,23の公開授業と15の協議会が行われました。とりわけ,研究協議では,一人ひとりの子どもたちの学びの事実と,そのことをみとり,支援する私たち教師のかかわりの事実をとらまえて,多様な視点から,各々の授業についての批評をいただくことができました。そのことによって,「つなぐ・つむぐ・つくる」みとりと支援のあり方に深く迫っていくことができたように思います。協議会の司会や指導助言をお引き受けいただいた先生方には,厚く御礼申し上げます。
 午後は,この間引き続きご指導をいただいております,東京大学大学院教授の秋田喜代美先生より,「学び合う学びをもとめて」をテーマにご講演をいただきました。私たちの研究主題に沿う形で,子どもの学びに関わる最新の研究成果と,参観していただいた授業と学びの事実を結び付けながら,具体的に,わかりやすく,私たち教師の仕事のあり方と今後の方向性をご示唆いただいたように思います。講演を聞かれた多くの参加者の方が,学びの創造へ向けた勇気を与えられたのではないでしょうか。秋田先生には,今後ともご指導をいただければと願っております。
 学力低下やいじめ・暴力など,子どもをめぐっては様々な議論が行われておりますが,私たちは,子どもたちが主体として切実な問いを持ち,探求し,表現していく学び,さらには,教科内容の対象の世界と深くつながり,教室の仲間との出会いと対話を繰り広げつつ,それらを介して,自分と自分自身の思考・表現を真摯に吟味をしていくような学びこそが,子どもたちを変えていくと考えています。まさに授業で勝負です。
   こうした私たちの取り組みに,今後とも皆様の変わらぬご指導・ご鞭撻をお願いして,御礼の言葉とさせていただきます。

和歌山大学教育学部附属小学校長
船越 勝
 
全体会や授業の様子
 1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生 複式


全体会・講演会
 全体会では,本校研究企画長の梶本久子より,研究概要についてお話させていただきました。
 講演会では,東京大学大学院教授 秋田喜代美先生に,「学び合う学びをもとめて」と題して午前中の各授業を写真やビデオで振り返りながらお話いただきました。

 1年生
国語科 1Cおはなしたんけんたいぼく・わたしの「くじらぐも」
授業者:湯浅明菜
 ぼく・わたしの「くじらぐも」づくりを単元を貫く言語活動に位置付けました。自分の考えた“おはなし言葉”を入れることで,作品世界により浸りながら読む姿が見られました。協議会では,効果的に動作化を取り入れること,挿絵や文章にもどりながら言葉の意味を考えさせること,思考を促す手立てを明確にすることなどを学びました。
   
算数科 おおきさくらべ
授業者:市川哲哉
 1年生算数の「おおきさくらべ」の単元で,いろいろな考え方(比べ方)ができる課題を設定することで,教える-教えられる関係ではない対等な関係のもと, ペアでの「応答のある対話」をめざして取り組みました。子どもたちは悩みながらもいろいろな考え方(比べ方)をみつけることができました。
   
生活科 あきであそぼう
授業者:中西正子
 幼小連携が強く求められている今,協議会では小学校低学年の先生方をはじめ,幼稚園の先生方からも,貴重なご意見をいただくことができました。
 授業を通して,心地よく遊ぶための「ルール」づくりとそれを相手に伝えるための工夫について考えることができ,子どもの思いや願いがあふれるあきまつりをつくっていくためのエッセンスをいただきました。


 2年生
音楽科 音のカーニバル ~いろいろな音にしたしもう~
授業者:内垣美佳
 「比べる」ことでせまる音楽の魅力~思いや意図をもって表現できる子どもに~をテーマに,打楽器がたくさん登場する曲を聴いて,打楽器の演奏による強弱や問いと答えなどを味わいました。協議会では,皆様から多くのご意見をいただくことができ,とても充実した時間となりました。
   
国語科 お手紙 ~がまくんとかえるくんの友だち物語をつくろう~
授業者:小杉栄樹
 「単元を貫く言語活動」として『多読』と『2C友だち劇場(音読劇)』を取り入れ,『ふたりはともだち』の五つの物語を通して,グループオリジナルの音読劇をつくりました。
   
算数科 分数
授業者:小谷祐二郎
 「折り紙を3回折るといくつに分けられる?」という課題のもと1/8をつくり,それぞれが本当に1/8であるのかを調べる活動を行いました。子どもたちが夢中で折り紙を折ったり等分できているかを確かめたりするところから,子どもたちが意欲的に学習に取り組む姿を観ていただくことができました。


 3年生
国語科 斉藤隆介ワールドに飛び込もう!「モチモチの木」
授業者:宮脇 隼
 本単元では,物語の中心人物の心情を自分が思う観点で表しました。クラスでは,それを「○○曲線」と呼んでいます。
本時では「モチモチの木」で,一人一人オリジナルの「○○曲線」を話し合いました。観点は同じでも根拠となる文章が違っていたり,観点は違っていても同じような曲線になったりすることで,子どもたちは自分と友だちの読みの違いを楽しむことができたように思います。
   
社会科 つなぐ・防災 ~くらしを守る消防のしごと~
授業者:梶本久子
 社会科3年「つなぐ・防災」(持続可能な防災)~くらしを守る消防のしごと~では,子どもたちが課題に対していろんな角度から考え,熱心に意見交換をしました。学びをデザインする子どもたちの姿を見ていただけました。
   
体育科 多様な動きをつくる運動~はっけよい3B 11月場所~
授業者:則藤一起
 本単元では「多様な動きを体をつくる運動」の5つの領域のうち,(ア)体のバランスをとる運動と(エ)力試しの運動を中心として「バランスずもう」と「パワーずもう」に取り組みました。また,3色のカード(自己との対話,他者との対話,対象との対話)を中心に,動きの感じや気づきをみんなで探っていきました。3Bずもうで,体も鍛えられたことまちがいなし!!


 4年生
図画工作科 絵を見て話して感じて考えよう~鑑賞を通じて~
授業者:上田 恵
 モネの「積みわら」シリーズより2点を鑑賞しました。影の様子や明るさ,色合いに着目して描いた時間を予想したり,積み上げられているように見えるモチーフは何なのかを考えたり,題名をつけたりしました。今回は「対話による鑑賞」の一つとして提案しましたが,鑑賞の方法は多様だと感じました。
   
算数科 面積
授業者:吉久寛郎
 写真は,工夫したことを説明している子の話を真剣に聞く様子です。
 子どもだちは,課題と出会い,互いの考えをつなぎ,つむぎながら解決することができました。
 協議会では,皆さまから多くのご意見をいただくことができ,誠に有難うございました。今後の実践に生かしていきたいと思います。
   
理科 見えないものを見てみたい!~ヒトの体のつくりと運動~
授業者:西村文成
 「ヒトの体のつくりと運動~見えないものを見てみたい~」の単元で,子どもたちが作った骨と筋肉のモデルについての発表をする場面を見ていただきました。写真は子どもたちが自分の手で作ったモデルを示しながら関節について,対話を深めている場面です。自分の考えを伝える,他者の考えを聴くことにより子どもたちなりに骨と筋肉についての理解を深めました。


 5年生
算数科 比べ方を考えよう~単位量あたりの大きさ~
授業者:北端一喜
 人口の混み具合を考える最初の課題について説明しています。「大きい方の面積を2で割れば,面積比が同じになり,人口の多い少ないで混み具合が比べられます。」この後,ジャンプの課題で,面積比が最小公倍数では見つけにくい課題を提示し,「1あたり量」に目を向け,人口密度に迫っていくはずでしたたが・・・。
 多数のご参観ありがとうございました。
   
音楽科 ハンガリー舞曲 第5番~体も心もうっきうき~
授業者:居澤結美
 「比べる」ことでせまる音楽の魅力~思いや意図をもって表現できる子どもに~をテーマに,「ハンガリー舞曲 第5番~曲想を味わおう~」を提案しました。指揮者や楽器,強弱が異なる2種類の曲を聴き比べ,感じ方の違いを考えました。協議会は皆様から多くのご意見をいただくことができ,とても充実した時間となりました。
   
理科 もののとけ方~見えないものをイメージしよう!~
授業者:馬場敦義
 これまで獲得してきた水溶液中の「目に見えない物質」に対しての「目に見える事実」を関連付け,推測していくことで,基本的な「粒子概念」の構築をさせ
ました。加熱状態での食塩がとけているイメージ図を,ミョウバン・ホウ酸と比べることで描き出し,新たな自分の考えをつくり出すことができました。また,実験で得たことからイメージを再構成する姿が見えました。


 6年生
家庭科 大好き!◯◯ランチ
授業者:藤原ゆうこ
 生活力を育む家庭学習~自分をCHANGE!生活をCHANEG!できる子どもの姿をめざして~をテーマに,和食のよさを追究し,そのよさを生かした一食分の献立について考え合いました。栄養バランスはもちろんですが,旬のものを取り入れたり,ダシのうまみを生かしたり…。子どもが日頃何気なくいただいている食事を見つめなおすきかっけにもなりました。
 協議会では,貴重なご意見をたくさんいただき,ありがとうございました。
   
体育科 ひろってつないで 決めようアタック!
授業者:渡辺 圭
 バレーボールの3つの局面「落とさせない」「組み立てる」「落とす」における一人一人の学びを書きこんだ「チームシート」です。この「チームシート」は短時間で記入でき,チームの意思疎通にも役立ちました。また個,チームの学びの足跡として,みとりと支援のよい資料となりました。
   
社会科 新しい日本への歩み~1人の日本人として~
授業者:矢出大介
 「新見さんの平和への思いをきいた自分たちに何ができるのだろうか。」という難しい課題でしたが,子どもたちは自分の考えを何とか伝えようとしていました。被爆の悲惨さを伝えるために実物投影機を使う子もいました。協議会では,教師の出等についてご指導を頂き誠にありがとうございました。
   
理科 水よう液の性質~探っていこう!!水よう液の正体を!~
授業者:田村和弘
 うすい塩酸に入れたスチールウールやアルミニウムは、どのように溶けたのかを予想したことをイメージ図で表し,発表するという内容でした。塩化水素を〇とし,スチールウールを△などど記号を決めることで、意見の交流の際、共有しやすくなるようにしました。


 複式
国語科 5年「大造じいさんとガン」 6年「やまなし」
授業者:北川勝則
 5年生は「大造じいさんとガン」6年生は「やまなし」の授業でした。当日は,両学年とも一人学びをもとに,自分の考えを出し合い,交流する中で考えを深めていくことを目指しました。
 司会を中心に自分たちで課題解決に向かう姿を見ていただくことができたと思っています。
   
算数科 1年「かたちつくり」 2年「三角形と四角形」
授業者:土岐哲也
 1年生は,図形移動の仕方を考えました。2年生は,直角の学習で,直角を実感させるため,敷き詰め図を操作する活動を行いました。
 また,協議会では,授業を通して,みとりと支援のありかたについてご意見・ご感想,ご指導をいただき,取り組みについての留意点,新たな視点を与えていただきました。ご指導いただいたことを今後の取り組みに生かしていきたいと思います。
   
理科 3年「ものと重さ」 4年「もののあたたまり方」
授業者:中西 大
 3年生は,同じ体積の水・塩水・アルコールには,重さに違いがあることを知りました。重さのと液体の性質を関連づけながらイメージ図に表して考察しました。
 4年生は,水のあたたまり方を調べる実験を行いました。あたたまり方を可視化しようと,サーモインクや温度計を使っていました。

 

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