和歌山大学教育学部附属小学校
 
第9回ICT活用授業研究会

*第9回ICT活用授業研究会ご参加の御礼*

 1月29日(金),「情報活用能力の育成のためのICT活用」をテーマにして,第9回ICT活用授業研究会を開催しました。年度末のご多忙の時期にもかかわらず,地元和歌山県はもとより,東は山形県、西は長崎県の対馬など遠方の県からの参加も含めて,約80名の先生方にご参加いただくことができました。厚く御礼申し上げます。
 当日は,生活,道徳,体育の3つの公開授業(研究授業)と研究協議会を実施し,全体会では,この間一貫してご指導いただいてきた豊田充崇先生(和歌山大学教育学部附属教育実践総合センター長/教授)による講演が行われ,活発な議論と交流が行われました。内容の詳細は,公開授業の様子・授業者のコメントの方を御覧いただければと思います。
 このICT活用授業研究会は,第1回から数えますと,1年お休みをした年がありますので,既に10年を数えることになります。このICT活用の研究をめぐっては,本校では,元々「教科指導におけるICT活用」,すなわち,教科指導の改善を図るためにICTを教師が効果的に活用することから取り組んできました。そして,このような教師のためのツールから,教室に全員分のタブレット・パソコンを用意して,それを子どもたちが「学びのツール(道具)」として,自由に行使して「学びの質」を追求していく子どものためのツールへとICTの活用の仕方を発展させてきました。今回の研究会では、体育におけるダンスの動きの想像・創造と確かめのための子どものツールとして位置付けました。
 他方,今年度は,普通教育としての情報教育のリテラシーとして,情報活用能力と情報モラルについても取り組みました。情報活用能力は,ICTやコンピュータに関する能力だけでなく,アナログ的なカードによる情報の整理・活用なども含めた概念で,今回は生活科の授業のなかでの活用を試みました。また,近年,SNSなどでの仲間外しやいじめが大きな社会問題になっていますが,道徳の授業でスマートフォンの利用の危うさなどに気付く情報モラルの授業を提案しました。
 こうした私たちのICT活用授業のあり方についての発信と提案についても,忌憚のないご意見をお寄せいただければと思っています。それらをもとに,私たち附属小学校のICT活用のビジョンと情報教育カリキュラムをより確かなものにし,皆様に発信していきたいと考えております。
 最後に,お忙しいなかにもかかわらず,講演をお引き受け下さった豊田先生をはじめ,指導助言をお引き受けいただいた先生方,及び,ご参加いただきました先生方に,衷心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

和歌山大学教育学部附属小学校 校長 船越 勝
 
授業の様子・授業者コメント

4年A組 道徳 情報モラルの育成

 
 インターネットのNHK for schoolにある動画「たった一言のちがいが…」を資料として情報モラルの授業を行いました。登場人物の気持ちに寄り添いながら,顔を合わせての会話と 無料通話アプリを用いた文字だけのメッセージのやり取りとのちがいに気づくことをねらいとしました。 授業後の感想では,「送る時に相手の気持ちや受け取った時の印象を考えて送らないといけないんだなと思った。」「文字だと発音がないからいい意味でも悪い意味にまちがえられる時もある。」など,子どもたちは登場人物の中でもメッセージの送り手側の行動の問題点について考えることができたも のの,受け手側の行動や気持ちについてはせまることができませんでした。情報 モラルをどう道徳としてあつかうのかも課題です。 スマートフォンが急速に普及している時代に合わせ,使う側のモラルを育むことは大切なことであり必要なことです。今後も学校を挙げて研究し ていきたいと考えています。
(久保 文人)


1・2年複式生活 情報活用能力の育成
1年「冬を楽しもう」 2年「もっと行きたいな冬の街探検」

 1年生は,冬の自然を2年生に紹介しようと準備する1/2時間目でした。自分のお気に入りを準備し,どんな発表にまとめようか整理する段階でした。子どもたちには,思いが多く「あれもこれも発表しよう」となってしまいました。しかし,手元に実物がない上に,絵では伝え切れないと判断したことを写真で見せようと,携帯型情報端末を用意していた子どももいました。

 2年生は,準備の3/4時間目でした。発表の練習を見せ合って,アドバイスし合い,改善していこうとする流れでした。2年生は,このような流れには随分慣れ,ほとんど自分たちで授業を進めます。参観者の先生方からも,手分けをしたり,意見を出し合ったりして全員が関わり,また3人で写真を整理し,1人が原稿を直すなど,役割分担をして進めることができていたと評価していただきました。
 参観者の皆様には,「低学年でもタブレットを使えるというスキル面の充実」「自分で学ぶ力,主体的に活動する力,機器を操作する力が身について いること」「子どもたちが,注目してほしい場所を拡大しているなど,小さなプレゼンテーション能力が付いていること」など,成果を多く教えていた だくことができました。
 また,「1年生が個人で発表しても良かった」「この学習活動で携帯型情報端末を用いた理由の明確さに欠けること」「プ リントアウトした写真でもできたはずのことをどうして端末上で行ったのか」「今回は,ICTを活用する必要がなかった」などのご意見もいただきま した。貴重なご意見を元に,今後のICT活用授業を考えていきたいと思います。
 (中西 大)
 
研究協議・講演会の様子、ICT部長より

研究協議・講演会の様子

 協議会・講演会では,様々なご意見をいただきました。当日はお足元の悪い中,多くの方にご参加いただきありがとうございました。

 

広報附属だより

 

お問い合わせ先

〒640-8137
和歌山県和歌山市吹上1-4-1
TEL:073-422-6105
FAX:073-436-6470
左上の「メニュー」の中に,お問い合わせフォームへのリンクがあります。
 
(C) 2007 和歌山大学教育学部附属小学校 All Rights Reserved.