ハゴロモノキ(ヤマモガシ科)
修景緑地にそびえ立つ大きな木。5月頃から独特な形の花を咲かせます。
オーストラリア原産の常緑樹。下を向いて広げた枝葉が「天女が纏う羽衣」に似ていることから、日本でこの名前がつけられたといわれています。
明治末期、苗木で導入された10本のうちの1本として、この木は和歌山県にやって来ましたが、はじめて花を咲かせたのは昭和62年6月でした。昭和63年の開花は新聞紙上でも紹介されました。それ以来、数年に1度思い出したようにヘアブラシのような黄色い花を咲かせていましたが、ここ数年は毎年開花しています。
同時期に輸入されたものは九州大学農学部と静岡県の果樹研究所カンキツ研究興津拠点にもあります。興津拠点の樹は平成5年6月の初開花以来、毎年開花しているそうです。
開花の様子が観察できる樹は、ほかにもあります。枚方市の大阪府営山田池公園の樹は、花博終了後に移植されたもので、見事な開花の様子がネットで紹介されています。三保の松原/羽衣の松や、熱海の庭園・起雲閣、西宮市の北山緑化植物園、兵庫県の淡路ファームパークなどでも観察できます。
オーストラリアでは、鉢植えの観葉植物として一般的で、国によっては街路樹や木材として利用されるため、アフリカなどでは植林されているようです。
昭和60年の教育学部の移転時には伐採されそうになったところ、当時の職員の尽力でこの地に残されたという逸話があります。