角とその大きさ
算数科 西浦 健悟
算数の学びを通して,数量や図形について感覚を豊かにし,日常生活に生かそうとする態度を養うこと,及び現実の事象や自然の法則への見方が変容することを大事にしたいです。本単元である4年生の角の学習では,角の大きさに注目し,図形間の関係を捉える力を育むことを目標としました。角の感覚を養い,図形の考察に積極的に活用できる資質や能力を育みます。
学習計画を作る
社会科の校区たんけんでは,お城が見えるコースを設定しました。和歌山城公園内にある本丸御殿跡(図1左写真のポイント)からは和歌山城が一望できます。城を見た子供たちから「おぉ~!!」と歓声があがりました。「こんな場所あったんや」「和歌山城がよく見える」「きれい」とお城を見た感想をもったようです。この子供たちの素直な思いから,何か算数の題材につなげられないかと思いました。

和歌山城の塗り絵作り
お城の破風を三角形に見立て,角度を測りできるだけ精巧な塗り絵作りを目指しました。「塗り絵」にしたのには以下の意図があります。
・お城の三角に見えるところ(破風)は三角形ではない。そのため内側にやや曲がっているので角度が測りづらい。絵をかくことが目的ではなく,塗り絵として簡単な線を可とすることで,直線と見立てる必要があった。
・色を除くことで,より形に着目して,図形の美しさに気付くことができると考えた。
前時にS児が「ぼくの分度器じゃ180°を超える角度が測れない」と言いました。そこで分度器を使って色々な角をかく授業では,角の合成をイメージしやすくするために扇形の色紙を使って角の大きさを求める授業を行いました。扇形を使ったしかけにより,3つの角のうちどの角をあわせればいいのか迷うことがなくなりました。さらにSは「線を伸ばして測れるようにした」と言い,180°をもとに,そこから足したり引いたりすることで180°を超える角を測ることができるようになりました。

写真のように和歌山城の設計図を測る際も補助線を伸ばすことで測ることができました。(破風は内側にやや曲がっているので角度も測りづらいです。そこで角度を測る問題では,教師があらかじめ直線を引いておいたものを提示しました。)

授業のポイント
身の回りにある数学的事象と出合ったり,活動を工夫したりすることで「180°をもとに考える」という気付きを引き出し,それを全体で共有することができました。今後も,楽しさと効率を両立する授業を考えていきたいです。

子供と教師がともに算数をつくる過程を大切に,「やってみたい」と意欲的に取り組める授業を目指します。
#和歌山城,塗り絵と図形