提案学校提案

今年度の研究テーマについて

★昨年度の研究実践の成果と課題より
 昨年度,本校では「問い続け,学び続ける子どもたち」の研究主題のもとで鹿毛雅治先生(慶応義塾大学)の指導をうけ,実践研究を行うことで,成果とともに貴重な課題も得ることができました。成果としては,教師が子どもたちの言葉に着目することで,その関係性や主体性をより具体的にとらえることができることがわかってきていました。また,新たな課題として特に以下の2点が表出することとなりました。

 1,子どもたちの主体的な姿が見られた一方,人とかかわりながらの学びが不十分である。
 2,教師が子どもの学びの筋で授業をみることができていない。

 以上のような点から,今年度は「子どもの言葉」に着目し,子どもの学びの筋を探る授業研究を行っていくことになり,研究主題を

問い続け,学び続ける子どもたち
~子どもの言葉でつくる授業~

と定め,研究を進めています。

★子どもの言葉でつくる授業とは
 「子どもの言葉がもとになり授業を展開していきたい。」本校においてもこれまで子どもの言葉を丁寧にみとり,適切に支援することで学びを成立させようと取り組んできました。しかし,教師にとって都合のよい発言を取り上げてしまったり,言語表現が上手にできない子どもを見過ごしてしまったりすることもみられました。この点については,鹿毛先生からの「子どもたちの学びの筋では決着がついていないのに,教師の予定で次に進んでいることや,子どもと教師のやりたいことにズレがあるような授業を展開してしまっている。」との指摘がありました。
 そこで,今年度は改めて一人一人の子どもの学びを捉え直そうという思いのもと,サブテーマを「子どもの言葉でつくる授業」としています。ここでいう言葉とは,子どもの発言だけを指すものではありません。子どもの発言には,そのもととなる思いや考えが必ずあります。その思いや考えは言葉よりも先に表情や仕草,視線として表出されることも多くあります。本校では,これらすべてを「子どもの言葉」と捉え,子どもの一挙手一投足を大切にした授業づくりに取り組もうと考えました。
 子どもの言葉でつくる授業を進める上で,子どもの発言が飛び交う授業は必要不可欠です。ここでいう発言は,指名を受けた際の発言だけではなく,課題に出合ったときのつぶやきや友だちの発言に対する反応等も含まれます。このような子どもの発言が溢れるような学級風土をつくることが「子どもの言葉でつくる授業」の第一歩と考えます。しかし,子どもの発言が飛び交う授業であっても,理想とする問い続け,学び続ける子どもの姿とは言えません。本校がめざすのは,授業の中での言葉を思慮深く考察したり,問い直したりする子どもです。子どもの言葉によって授業がつくられることで,研究主題に迫っていけるのではないかと考えています。
 今年度予定している研修会・研究会の案内を上部に掲載しております。ぜひ和歌山大学教育学部附属小学校にお越しください。

研究主任:馬場敦義

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