2013年度 学校提案(概要)
学びをデザインする子どもたち
~つなぐ・つむぐ・つくる~
昨年度新しく提案した「学びをデザインする子どもたち」は,子どもたちが主体となって課題解決を行う姿をめざしました。
そして,研究に携わっていただいた秋田喜代美先生(東京大学大学院)からは,その成果として「聴き合い学び合う関係として,様々な視点や価値を出し合うことで,一つのものに集まってつくっていくような授業が観られた」「学びの筋道をふり返ることができるような環境を教室に作っている」の2点を挙げていただきました。さらに「学ぶとは頭に詰め込むことではなく,心に灯をともすことである」(アイルランドの詩人イエーツの言葉)を引用され,「本校では灯をつけるだけではなく,灯をともし続け,その支えはどうあればいいのかを探究しているのではないか」という講評をいただきました。また,校内研究授業などを参観し,指導していただいた二宮衆一先生(和歌山大学)には「学びをデザインするということについて,十分共通理解できていないのではないか」「聴き合い,学び合う学級風土の具体的な姿を示すことが必要である」「協議会の持ち方を変えることで,研究が深まり,積み上がっていくのではないか」というご指摘もいただきました。
上述の先生方からのご意見をもとに,私たち教師は子どもたちの心に灯をともし続けるために,みとりと支援をしっかりと行い,研究協議のもち方についても工夫することで,学びをデザインする子どもたちを育てることができると考えました。
学びをデザインする子どもたちの姿をめざすためには,教師がどのようにみとりと支援を行うかが重要です。目の前の子どもを注視し,子どもの考えに寄り添いながら,働きかけをし,授業にいかしていきます。その繰り返しの中で学びをデザインする子どもが育っていきます。そこで,今年度は「つなぐ・つむぐ・つくる」をサブテーマに,みとりと支援を充実させることで,研究主題に迫っていきます。
実際に研究を進めるにあたり,
①聴き合い,学び合う「学級風土」づくり
②子どものみとりと支援
③授業記録の活用
の,3つをポイントとして取り組んでいきます。
①聴き合い,学び合う「学級風土」づくりでは,学級の子どもたち同士が受容的な関係となるように,各クラスで工夫をしていきます。どのような工夫をしているのか,その方法を共有化することで学校全体として落ち着いた雰囲気となり,子どもたちが聴き合い,学び合う姿をめざします。
②子どものみとりと支援では,子どもたちがどのような思いや願い・考えをもち,友だちのどの発言にゆさぶられているのか,どのような変化を遂げていったのかという学びの変容をしっかりみとり,一人一人の子どもの学びとどう向き合っていくのかを探ります。
③授業記録の活用では,授業記録をとり,それをもとに分析を行います。その時には,着目児やその他の子どもの発言,教師の発問を追うことによって「学びをデザインできた」場面を探り,どのようにして「学びをデザインしたのか」,その前後の学級全体の様相を分析していきます。
これら3つのポイントについては,さらなる提案をしていきたいと思います。
今年度は11月2日(土)に研究発表会を開催します。ぜひ和歌山大学教育学部附属小学校へ足をお運び下さい。