学校提案

2012年度 学校提案(概要)

★本年度の研究テーマ

学びをデザインする子どもたち

~3つの対話の充実によって~

 昨年までの研究主題は「学びの質の高まりをめざして」でした。この研究主題において,「対象との対話」「他者との対話」そして「自己との対話」に視点をあて,子どもたちの変容をみとることで学びの質が高まったかどうかを検証してきました。その結果,これら3つの対話は学びを成立させるためには必要不可欠なもので,三位一体となって行われるべきものであることがわかってきました。そして,その中でも「自己との対話」に弱さがあり,充実させるためには子どもたち自身が自己の課題意識を高めなければならないということもわかってきました。
 このような反省から,子どもたちが学習の主体となって課題解決を行うこと,3つの対話を大切にした授業をつくっていくことを目標に,本年度の研究主題を「学びをデザインする子どもたち~3つの対話の充実によって~」と定めました。
 これまでにも,「学びをデザインする」というテーマで多くの方が研究されてきました。そこではデザインする主体は指導者を示していました。しかし,本校では,デザインする主体を子どもたちであると考えています。そこで,【学びをデザインする】ことを学ぶ筋道を考えて課題解決に向かうことと定義し,「学びをデザインする子どもたち」とは,子どもたちがデザインする主体となり,学ぶ筋道を考えて課題解決に向かうことであると捉えています。そして,子どもたちが学びをデザインしていけるように,「対象との対話」「他者との対話」「自己との対話」の3つの対話を充実させていきます。
 実際に研究を進めるにあたり
①聴き合い,学び合う「学級風土」づくり
②協同的な学びのあり方を探る
③学ぶ筋道を考える
④授業記録の活用
の4つをポイントとして取り組んでいきます。

 ①聴き合い,学び合う「学級風土」づくりでは,学級の子どもたち同士が受容的な関係となるように,各クラスで工夫をしていきます。どのような工夫をしているのか,その方法を共有化することで学校全体として落ち着いた雰囲気となり,子どもたちが聴き合い,学び合う姿をめざします。
 ②協同的な学びのあり方をさぐるでは,ペアや4人グループという形にとらわれるのではなく,一人ひとりの子どもの学びとどう向き合っていくのかという視点で,効果的な活用法を探ります。
 ③学ぶ筋道を考えるでは,単元・題材構成の工夫や,子どものみとりと支援から「どのような発言をきっかけにして子どもたちの学ぶ道筋がつくられたのか」「教師のどのような支援で子どもたちが学ぶ筋道をつくったのか」など,子どもたちが学ぶ筋道をつくる様相を探ります。
 ④授業記録の活用では,授業記録をとり,それをもとに分析を行います。その時には,着目児やその他の子どもの発言,教師の発問,を追うことによって「学びをデザインできた」場面を探り,どのようにして「学びをデザインしたのか」,その前後の学級全体の様相を分析していきます。
 この4つのポイントについては,さらなる提案をしていきたいと思います。
 このように本年度から,新たな研究主題を立ち上げました。まだまだ未完成ではございますが,皆様のご意見をお聞かせいただきたいと思います。

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