2011年度 学校提案
★本年度の研究テーマ
学びの質の高まりをめざして
~自己の変容へとつながる「吟味」~
本校では,2007年度より「学びの質の高まりをめざして」という研究テーマのもと,「学び」を対象・他者・自己と対話することで熟成される三位一体の活動であると考え,実践を重ねてきました。そして,一昨年度の研究発表会において秋田喜代美先生(東京大学大学院)からご指摘のあった「言葉の吟味・考えの吟味」の弱さを克服し,子どもたちの学びの質をよりいっそう高めていくため,「吟味を生み出す対話」をつくるというサブテーマを設けて研究を進めてきました。秋の研究発表会では,「吟味を生み出す対話」をつくり,学びの質を高めていくためのポイントとして,
Ⅰ「学びの質の高まり」を支えるものとして示した“5つのもの”が概ね満たされるような授業づくりをしていくこと。
Ⅱ子どもたち一人ひとりが同じ土俵で,同じ視点にたって,理由や根拠を話し合えるようにすること。(=課題の焦点化)
の2つを示しました。
Ⅰに挙げた「学びの質の高まり」を支える5つのもの(みとりと支援の充実・過程を重視したプロジェクト型学習・協同的な学び・自己の課題・聴き合い,学び合える「学級風土」)を明示したことにより,それぞれの授業者がこの5つを意識した実践を展開し,そのことによって,教師自身が自己の実践の弱点に気づき始めることができました。また,研究発表会にご参会いただいた先生方から,聴き合い,学び合う子どもたちの姿について,「話したくて聴きたくて仕方のない子どもたちが十分育っているなと感じた。」「子どもが互いの話をよく聴く姿が随所にあふれている授業だった。」などの評価をいただくことができ,質の高い学びを実現していく上で母体となる学級集団が,「聴き合い,学び合える学級風土」であることの重要性を改めて確かめることができました。その一方で,「より効果的な“協同的な学びのあり方”について明らかにしていく。」という課題が見えてきました。
また,Ⅱで示した「同じ土俵で」「同じ視点で」ということを意識してきたことで「焦点化における異なる2つのアプローチ」があることも見えてきました。
本年度は,研究テーマ「学びの質の高まりをめざして」の最終年度と位置づけ、見えてきた課題を克服し,質の高い学びを実現していくために、「~自己の変容へとつながる「吟味」~」というサブテーマを掲げ、
学びの質の高まりをめざして
~自己の変容へとつながる「吟味」~
(1)聴き合い,学び合える「学級風土」づくりの共有化を図る
(2)協同的な学びのあり方を探る
(3)焦点化における2つのアプローチ
(4)三位一体の対話を進める
の4つの点についてさらなる提案をしていきます。今年度予定している研修会・研究会の案内を次頁に掲載させていただきます。
ぜひ和歌山大学教育学部附属小学校へ足をお運び下さい。