国語科提案2019
1.国語科の本質
国語科は,言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の働きを適切に理解し,それらを活用表現する教科である。国語科は,様々な事象や対象の内容を自然科学や社会科学等の視点から理解することを直接の学習目的とするのではなく,様々な事象をどのように言葉で捉えて理解し,どのように言葉で表現するか,という言葉を通じた理解や表現及びそこで用いられる言葉そのものを学習対象とするという特質を有している。したがって,言葉に着目して言葉の働きを捉えるという国語科固有の視点を踏まえ,理解したり表現したりしながら自分の思いや考えを深め広げることが,国語科で育成したい力である。
2.目標及び育みたい探究力と省察性
(1)国語科の目標
国語で理解し表現することを通して,①創造的・論理的思考の側面,②感性・情緒の側面,③日常生活における人との関わりの側面から言葉に対する見方・考え方を働かせ,言語感覚を養い,自分の思いや考えを形成し深める資質・能力を育成する。
(2)育みたい探究力
創造的・論理的思考や感性・情緒を働かせて思考力や想像力を養い,日常生活における人との関わりの中で,国語を正確に理解したり適切に表現したりするとともに,新たな考えを創造する力。
(3)育みたい省察性
テキストに書かれている言葉や自他の発言,または問題解決の過程や結果をふり返りながら,学級や個人の問題解決について調整したり,改善したりしながら問題解決の質を高める資質・能力。
3.探究的な学びのイメージ
4.探究力と省察性を育む指導
様々な事象をどのように言葉で捉えて理解し,どのように言葉で表現するかを育むためには,実生活の場における問題を解決すべく探究する「探究力」と自らの探究を調整・改善しながら進めるための「省察性」を育む必要がある。
学習者一人一人が,その単元の学習を通して探究力を育むには,学習者の興味・関心や問題意識をふまえた学習課題を設定し,その学習課題の解決を目指して学習活動を展開することができるように単元を構想する必要がある。学習課題は,第1次で単元を通した学習課題を設定するだけでは,学習意欲を単元終末まで自足させることはできない。導入において単元を通した学習課題を設定したうえで学びを振り返ったり次時の学習を見通したりしながら学習を展開していくことが探究する姿につながると考えるのちの学習活動で意欲的に学ぶ仕掛けを設定し,その過程を繰り返すことで,より探究が深まると考えている。
また他教科の学習を意図的に単元に組み込むことで,学習意欲を持続させ,かつ,探究力を身に着けることで他の学習にも活用発揮させることのできる力へとつながっていくと考えている。
5.研究の評価
研究内容で取り組んだ授業実践の中での子どもの言葉をもとに,研究の成果と課題を明らかにしていく。その際に授業での子どもの言葉やノートの記述などの子どもの表現物を用いて研究の質的評価を行う。
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