提案社会科

社会科提案2019

1.社会科の本質

 社会科は社会認識を通して,公民的資質を育成する教科である。公民的資質の育成は社会科の究極の目標であり,国際社会に生きる民主的で平和的な国家・社会の形成者として必要な資質・能力とも言える。このような資質・能力を育成するためには,広い視野から地域社会や我が国の国土に対する理解を一層深め,国際社会で主体的に生きていくための基盤となる知を生み出すことや我が国の歴史や文化を大切にしながら,持続可能な社会の実現に向けてよりよい社会の形成に参画する資質・能力の基礎を培うことを重視していく必要がある。

2.目標及び育みたい探究力と省察性

(1)社会科の目標

 社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者としての必要な公民的資質の基礎を養う。(=よりよい社会の形成に参画する資質・能力の育成)
(2)育みたい探究力

 社会的な見方・考え方を働かせながら,実社会に存在する課題を問題と捉え,問題解決のために様々な情報を収集し,整理分析し,仲間と共に問題解決方法を創造し,表現・発信する資質・能力。
(3)育みたい省察性

 自他の問題解決について社会的な見方・考え方を働かせながら,見通したり,振り返ったりし,学習を調整・改善しながら問題解決の質を高める資質・能力。

3.探究的な学びのイメージ

4.探究力と省察性を育む指導

 よりよい社会の形成に参画する資質・能力を育成するためには,社会の問題の解決に向けて社会的な見方・考え方を働かせながら問題解決を進める「探究力」と自らの問題解決を調整・改善しながら進めるための「省察性」を育む必要がある。そのためには,学習問題と単元構成の2つが特に重要であると考える。

 まず,学習問題では,以下の3つの視点を重視し,学習問題づくりを行う。

 次に,単元構成では,「社会的事象を考察する過程」と「社会的事象を構想する過程」の2つを位置付けることを重視している。

 「社会的事象を考察する過程」とは,社会的事象についての情報を収集し,考察することで意味や特色,傾向などについて考察し,社会的事象についての理解を深めたり,多面的な視点で捉えたりすることを行う過程である。

 「社会的事象を構想する過程」とは,問題解決に向けて,自らの社会的事象へのかかわり方や問題解決の方法を創造したりして,問題解決に向けて社会に参画していく過程である。

5.研究の評価

 取り組んだ授業実践の中での子どもの言葉をもとに,研究の成果と課題を明らかにしていく。その際に授業での子どもの言葉やノートの記述などの子どもの表現物を用いて研究の質的評価を行う。また,年度初めと年度末にアンケート調査を行い,アンケート結果による量的評価も行う。

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