提案算数科

2021算数科提案

1.算数科の本質
 算数科は,学習内容の系統性が明確であり,それらを統合・発展させて学習していくという性質がある。また,見方・考え方を働かせ,数学的活動をとおして,数学的に考える資質・能力を育成する教科である。それらの資質・能力を育成するためには,内容の習得を最優先とした学習過程ではなく,事象を数理的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決することが必要である。また,解決過程を振り返って概念を形成したり体系化したりする数学的活動に支えられた問題解決過程を組織することが必要になる。

2.算数科における育みたい探究力と省察性,見方・考え方
*育みたい探究力…算数科の見方・考え方を働かせながら,目の前の未知の問題に対して,探究のプロセスをとおして,解決に取り組む資質・能力
*育みたい省察性…算数科の見方・考え方を働かせながら,自らの学びにおいて学びの方法や道筋を調整・改善したり,学びを意味付けたり,学んだことを自己の生活や行動につなげたりする自己効力感に支えられた資質・能力
*数学的な見方・考え方…事象を数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え,根拠を基に筋道を立てて考え,統合的・発展的に考えること

3.算数科における探究のプロセスをとおした学びのイメージ(単元)

4.自己調整を生む指導
 算数科における自己調整とは,数学的な見方・考え方を用いて問題解決過程や結果を評価・改善しようとすることである。算数科部会では,問題解決過程を振り返って新たな数学的な見方・考え方を得たり,新たな知識を自らつくり出したりすることを自己調整過程であると定義し,この過程の充実を図る指導を行う。
 教師のしかけとしては,大きく3点ある。
①単元構成の工夫。学習内容の系統性が明確であり,既習事項を使えば子どもが新しい知識をつくり出すことができるという教科特性を生かした単元を構成する。このとき,単元を通した自己調整過程を大切にする。
②意図的・計画的な「気付く」場面を生む。自分と友達の考え(式や図など)の共通点や相違点などを比べたり,自力解決と協働思考の過程や結果を比べたりするなど,「気付く」場面を1時間や単元の中に意図的・計画的にしかける。そうすることによって,子ども自身が既習事項を使って新しい知識をつくり出すことを促す。
③子どもの発想を問い返す。そうすることで本質的な考え方(数学的な見方・考え方)を顕在化させ,新たな数学的な見方・考え方を得ることを促す。
このような教師のしかけにより,算数を主体的に生活や他教科の学習に生かそうとする子どもを育成する。

5.研究の評価
 単元ごとにどのような数学的な見方・考え方をどのようにして引き出すのかを明確にし,子どもと共に問題解決過程を描くことができたかどうかを評価していく。(子どもの表現 図・式・言葉)

算数科提案(PDF)はこちら

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