授業・研究活動理科

子どもが創る実験に…

●車を走らせる実験!?

 3年F組では,「車をどれだけ走らせられるか」について調べています。
 「どれだけ」って何なの?と聞くと,「長い」ということらしいのです。しかし,時間も距離も「長い」ので,そのまま実験をしてしまうのは危険です。そのため子どもたちは,長い時間走らせるチームと長い距離走らせるチームに分けての実験を行うことにしました。子どもが創る実験にするため,子どもに問い返して科学的な実験に近づけます。
 どのチームもゴムを5cmと10cmにぞれぞれ伸ばし,手を離して車を走らせ,その距離や時間を計測します。

 ここで,興味深い結果が出ました。それは,距離チームのことです。同じように実験したはずの結果に大きな違いが見られたからです。自分たちがした実験を振り返ってみて,車を見直してみて,あれこれ誤差に関するデータを集めようとしました。「発射位置?」「伸ばし方?」「風の影響?」などと発言を重ねます。
 しかし,明確に違うものがなく,その証拠もありません。ただ,車を見るとそこについているゴムの種類が違ったのです。それを発見したとたんに,「そうか,ゴムの種類が違うから,力が変わってきたんや」「だから走る長さが変わったんかもしれん」と続けます。“力”や“長さ”などの言葉に加え,計測した値をきちんと比較しながら考えている(=考察している)点がとてもよかったと思います。

 さらに,時間チームも,同じものを使っているのに値に違いが出ます。そこで,考察をしながら再実験を行います。また同じ結果に「?」が浮かびますが,「5cmなら走る時間が短いのと,10cmなら長く走るということは同じやからえんか?」という考察をしていました。それもそうですね…。

 考察は,理科の中でもなかなか難しいところですが,発想豊かに結果をもとにして思考できていることがよかったと思います。はじめて本格的に最初から最後まで通した実験は,中身の濃いものになりました。

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