ものの温度と体積⑤
【教育研究発表会研究授業】
教育研究発表会の研究授業が単元の5時間目となりました。子どもたちが“記者会見”だと言いながら,結果を報告する時間でした。報告と同時に様々な考察ができるかと期待していました。しかし,実はここに大きな落とし穴があったことに,授業を終えてから気づきました。
授業では,アルミニウム・空気・水の各チームから実験の報告がありました。しかし,細切れに結果を発表し合うだけになりました。結果から考察に進まない,深まって行かないのです。授業者の考察ですが,原因を探るために検証実験をしたので,その原因が変化のない金属(アルミニウム)ではないとわかり,水も変化したようなしていないような感じです。しかし,空気は風船をよく膨らましています。「だから空気が原因だ!」「おしまいっ!」となってしまったのではないかと反省しました。事件の謎を追うことで,丁寧に考察をすると考えていたのですが,大きな落とし穴だったのかもしれません。
しかし,水と空気の複合要因チームのビデオで笑顔が溢れ出した時,水が原因だと考えていた子どもたちを中心に,再実験をしたいと言う声が上がりました。そこで,少し時間をとって予定になかった実験をしてみることにしました。実験では,ペットボトルを凹ませて水を満タンにしてお湯につける実験や,空気についても下向きに風船が膨らむかなどあれこれと実験していました。子どもたちには,実験が足りなかったのですね。
最後の10分では,再度結果を考察しました。そこでは,とても興味深いやりとりが聞かれました。「空気が温められて上に動くから風船が膨らむ?」について,そうだと考える子どもと,向きは関係ないと考える子どもの話し合いです。A君が一生懸命に話していたのですが,授業者には話がよくわからなくて「先生,わからん…。」とぼやいていると,B君が話に入ります。それは,「温めて上に行くのなら,逆にしたら風船はしぼむはずだ。」という意味の内容です。そんなやり取りを,指導助言の富田先生(和歌山大学)は,面白い(興味深いの意)やりとりだったと話してくださいました。実際に,横向きにしても風船が膨らんだ結果をもっている子どももいました。下向きにしてもしぼんだりしません。しかも,Cさんは全方向に膨らむんだと考えて,ペットボトルに空気だけを入れて固くキャプをして,ペットボトルが膨らむという結果をもっていました。残念ながら今回はそれをピックアップして全員で共有することができなかったのですが,またの機会に聞きたいものです。
参観してくださった先生が,「ペットボトルの下に穴を開け,そこに風船をつけたらその風船もふくらむはずだ。」と子どもが呟いたのを聞いたそうです。誰が言ったのかわかりませんが,とっても良い実験アイデアです。
実は,板書に「体積変化の程度」が現れていました。空気についての意見(考察)が多かったのです。金属