授業・研究活動理科

6A 理科「ものがもえるとき」④~学習の流れ~

6A 理科「ものがもえるとき」の授業を紹介します。

(第1次 3時 ロウソクの火を燃やし続けるには?)

前時では,ほぼ全員の予想を覆った形になった。本来ならばC29が取り上げた,「空気の性質を調べたい」活動にいきたいところだが,子どもの中には「空気が本当に関係しているのか」という疑問をいだく子どももいると感じた。そこで,本時はロウソクの火を燃やし続ける様子を観察することにより,閉じ込めた状態だとロウソクの火が消え,閉じ込めていない状態だとロウソクの火が燃え続けることに気づく。そこから改めて,燃焼には空気が大きく関係していることに気づかせたい。

行ったのは集気びんのふたをしないまま火のついたロウソクを入れ,火の様子を確認する実験である。

以下は考察の場面である。

C1 :ふたをしないと消えない

C2 :火は風がなくても変わらない。

C3 :ロウソクが燃えるには空気が関係している。

C4 :考えたことなんだけど,火が消える時は酸素が減って,火が消えないときは空気が入れ替わってるんだと思う。

(前時のC5の発言に関わる,空気の性質に着目した発言である。空気が燃焼に関係していることを子どもたちが十分とらえたと判断したため,空気の性質に目を向けさせることにした。教科書を使って空気に含まれる成分を説明した。)

T:空気には窒素・酸素・二酸化炭素がふくまれます。

C:先生,それだけなん?

T:他にもあるよ。例えば,量をみてほしいんだけど…

C:窒素が多い!

C:78%

C:酸素が21%,二酸化炭素は0.04%しかない。

T:そうなんよ。窒素と二酸化炭素は全然ちがうでしょ?酸素の次に多いのがアルゴンって呼ばれる気体やで。

C:聞いたことある。

T:Cはその中でも酸素が燃えるのに必要って考えたんやね。次の時間はC5が言ってた,空気の性質を調べていきましょう。

(第2次 第1時 空気の中で燃えるもとになるのは?)

 本時からは,空気の性質に着目していく。

 子どもたちに,燃えるもとになりそうなものの予想をたてさせた。

 酸素:29人 

  理由:C1 二酸化炭素より多い。

     C2  二酸化炭素は少なすぎる。窒素は多すぎる。
     C3  前に実験をした時にペットボトルが少しへこんだから,酸素がちょうど良さそう。

 二酸化炭素:0人

 窒素:1人

  理由:C4 一番多いから減っても大丈夫。

 予想を交流した後,水上置換でガスボンベから気体を集め,火のついたロウソクや線香を入れた。

結果:二酸化炭素  消えた

窒素    消えた

酸素    消えなかった・普通よりも燃えた・ロウソクが普通より上に燃えた

      途中まで明るくてだんだん小さくなって消えた

(考察の交流の場面)

 C:Cが言ってた,ロウソクがだんだん小さくなって消えたのは酸素がなくなったか

 らだと思う。

 C1 :なぜ酸素は燃えやすいのかな?

 C2 :酸素はふたをしたときもしないときも燃え続けるのか?

 C3 :勢いよく燃えた。酸素が多ければ多いほど,密度が大きいほどよく燃えると思う。

 C4 :燃えるために酸素はどれぐらい使われたのか?また増えたものはあるのか?

 C5 :燃えるもとは酸素で,酸素が使われて少しぐらい減っただけでも火が消えると思う。

交流の後,子どもたちと追究していく課題をC4やC5の疑問や考えに関わったものにした。次時では,燃焼後の空気の成分の変化に迫っていく。

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