音楽科

音楽科提案授業2011

いろいろなひびきを味わおう
授業者:江田司

《本授業の場面分け》
①場面:本時での学習の確認・1班の演奏

 1班の演奏でのなかでベルの演奏に注目が集まった。木琴のパートを演奏していたことを確認し、全員にわからせるために階名で歌わせた。その後2度にわたって、ベルだけ演奏させた。最後に再度全体で演奏させる。2班・3班は1班の演奏を聴いて学習カードに記入。

②場面:2班の演奏

 2班の演奏表を見せながら、最後の「イ」の部分がどうなっているかを確認してから、演奏に入った。教師が表中をマグネットを移動させ、今どこを演奏しているかわかるように示していた。

③場面:3班の演奏
 はじめに3班の演奏表を見ながら、前奏「イ」の部分がどうなっているか確認。リコーダーと鍵盤ハーモニカ担当の男子2人が緊張のためか音出しがうまくいかない。3回チャレンジするが難しく、聴いている1班・2班の子どもたちに階名を歌わせる。なんとか演奏をスタートできるが、他のパートでもつまってしまう。最後になんとか最後まで演奏しきる。学習カードに書くことがないとの発言には、友だちと相談してかくようにと指示。その間に3班には打ち合わせをするように指示する。

④場面:3班がどんな音楽をつくろうとしていたのかの発表と3班の演奏

 3班が打ち合わせをしているときに、演奏楽器の変更がある。それを演奏表にかきこみ訂正する。リーダーに指名させて、どんな曲にしたかったかの予想を発表してもらう。「だんだん大きくする。」「おもしろい曲」などの意見が出るが、正解はでない。もう一度演奏してから答えを発表した。学習カードにアドバイスも書くようにうながす。

⑤場面:2班がどんな音楽をつくろうとしていたのかの発表と2班の演奏
 先にもう一度演奏する。リーダーが指名して予想したものを発表させる。「いろいろな楽器があって、音が大きい音楽」「季節をイメージしながら」「個性がある」「力強い」などの意見が出される。

⑥場面:1班がどんな音楽をつくろうとしていたのかの発表と1班の演奏

 先ほどのベルの演奏に興味があるのか、ベルの演奏の近くで聴こうとする子が集まってくる。先に答えを見せ、どんなことを考えていたかを発表し、暗い音から、明るい音になっていたかを全員に尋ね、挙手させた。そう思った人、思わなかった人、言われてそう思った人、と。思わなかった人への挙手が多かった。

⑦場面:次時の予告

【協議会で得られた共有事項】
①聴き合い・学び合える学級風土づくり
 ・専科の授業という難しさがあるが、受容的な雰囲気と相談するようなやわらかい口調の声かけにより、子どもたちの中にもお互いに支え合う声かけが生まれる。またミスを受けいれられるようになる。
③焦点化における2つのアプローチ
 ・どの音に気をつけて聴くかなど、聴く視点を与えながら進めることが、焦点化につながる。
④自己の変容へとつながる「吟味」
 ・子どもたちの言葉で「吟味」を生むためには、「明るい」や「楽しい」、「元気な」など抽象的な言葉から、演奏表に戻って、具体的にイメージしやすい言葉で表現できるようにすることが大事。子ども一人ひとり根拠をもってこだわって表現することへと向かう。

【協議会後のアンケートより】
・対話の大切さを感じました。子どもたちは演奏したがるのですが、あえて聴く場をつくり一人ひとりの感じたことを出し合う中で、重なり合ういろいろな響きに気づけるようになって来ていると感じました。
・1時間の中で焦点化、吟味においては、どの教科であっても「言葉」を流さないことが重要である。
・抽象的な言葉では、焦点化したことを吟味することはむずかしい。
・吟味にいたるまでの経験・技術・共通理解(今回の場合は音楽をつくる3つの要素)がおさえられていることが必要である。

〔文責:市川〕

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