2021家庭科提案
1.家庭科の本質
家庭科は,子ども自身が自分の生活をよりよくする力を育むことができる教科であり,生涯にわたって健康で豊かな生活を送るための自立の基礎を培う教科である。高学年にしかない教科であるからこそ,理科や社会などの他教科での既習内容を意識的に繋げることにより,実生活に役立てることができるという特色をもつ。
生活をよりよくしようと工夫する資質・能力を育成するためには,生活事象を,協力・協働,健康・快適・安全,生活文化の継承・創造,持続可能な社会の構築(家庭科の見方・考え方)を働かせ,衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して,主体的・対話的な学びを創る必要がある。
2.育みたい探究力と省察性,見方・考え方
*育みたい探究力…生活の営みに係る見方・考え方を働かせながら,日常生活にある問題を見いだして課題を設定し,探究のプロセスを通して,解決に取り組む資質・能力
*育みたい省察性…生活の営みに係る見方・考え方を働かせながら,自らの学びにおいて学びの方法や筋道を調整・改善したり,学びを意味づけたり,学んだことを自己の生活や行動につなげたりする自己効力感に支えられた資質・能力
*見方・考え方…衣食住に関する実践的・体験的な活動を通して,課題を見いだし,協力・協働,健康・快適・安全,生活文化の継承・創造,持続可能な社会の構築等の視点で捉え,よりよい生活を営むために工夫すること
3.探究のプロセスをとおした学びのイメージ(単元)
4.自己調整を生む指導
小学校家庭科における自己調整とは,生活を見つめ直し,課題に気付き,何をすれば,よりよい生活を創ることができるのかと行動を変容させることである。家庭科部会では,衣食住に関する知識や技能を,これからの生活にどう活かせるかを考え,計画・実践し,その行動を評価・改善していくことが,自己調整過程であると定義し,この過程の充実を図る指導を行う。
教師のしかけとして,次の4つを単元の中に組み込んでいく。
①対象(例えば,食材・布・汚れ等)の性質に気付くことができる実践的・体験的な活動【主体】
②他者の考えと自分の考えを可視化し,対話的な学び【協働】
③系統性を重視したカリキュラムデザイン【活用】
④子どもが自己評価できるルーブリック【省察】
これらのしかけにより,子どもは,よりよい生活の創造者となるための自己調整過程を体現できると考え,子どもの未来に生きて働く探究力と省察性の育成をめざす。
5.研究の評価
本時や単元の振り返りで,学んだ事象を自らの生活にどう活用したか,今後どう活かせそうか,課題解決の方策を自己評価したり,改善しようとしたりしている記述によって評価する。