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インプット・活用・交流 ~授業で活用し続けるために~

外国語科 中岡 正年

 日本で生活をしていると「外国語」を話さなければならない機会は,そうありません。しかし,子供たちが将来,外国語(英語)を使って多くの方とコミュニケーションをとる機会は,必ずあると思います。そして,外国語を学ぶことで日本のことを改めて考えたり,言語を通して海外の文化や歴史に興味をもったりすることは子供たちの世界が広がることになると思います。 

 子供たちが,少しでもそのように考えて行動するきっかけになるように,そして,楽しみながら外国語の表現に親しみ,子供たちが自分からもっと話したい,知りたい,調べたいと思えるような授業をしたいと考えています。

●楽しみながらインプット

 外国語の授業においてポインティングゲームはよく行われていると思います。例えば授業の初めに行うことで,学習するUnitで活用する単語や言葉を知ることになります。また,繰り返し楽しみながら発音したり,単語を見たりすることで外国語の表記や発音を自然と確認することになり,子供たちが外国語を使おうとする姿勢が高まります。毎回行っても子供たちは盛り上がりますし,教師が単語を発音するだけではなく,英文でその単語に関係することを話すとさらにインプットの幅が広がり,子供たちの「気付き」を広げたり,深めたりもできます。

●インプットしたことの活用

 一方で,子供たちはテキストに載っている文例について読むことや話すことはできても,その言葉を使って「やりとり」を行うことを苦手としているように感じていました。「やりとり」が苦手となる原因の一つとして,相手にどのように反応すればよいかわからないことではないかと考えました。
 そこで,相手に反応する言葉も楽しみながら身に付けていくことができないかと考えたとき,反応する言葉もポインティングゲームの形にして取り組めばよいのではないかと考えました。ただポインティングゲームと同じではなく,「反応する言葉」を次の写真のように配置してお互いに端からスタートするようにしました。相手よりもはやく相手のスタート位置に到着するとゴールとしました。これは,より相手の言葉に即して反応することが必要だと考えたからです。
 もし,自分と相手の言葉が重なった時にはじゃんけんを行います。このゲームを何回か行うことで,「反応する言葉」がインプットされ,文例を用いたインタビュー活動の際に,質問をしたほうもされた方も,文例を伝えるだけでなく,自然と反応する言葉を伝えている子供の様子が見られるようになりました。また子供のふり返りにも「友達の答えを知るだけでなく,お互いに反応することでもっと楽しくなった。」と答えている場面も多くみられるようになりました。

●活用したことで交流

 次に,「インタビュータイム」も授業中によく取り組んでいます。最近学習したUnitでは「What do you do on Sunday?」「What is your treasure?」の2問をメインに友達同士でインタビューを行いました。この際に,質問するだけではなく,あいさつやお礼を伝えることや,インプットした「反応する言葉」を使う必要性について事前に子供たちと確認しておくことが重要だと思います。子供たちは,インタビューを行うことで「土曜日にサッカーをしている。」「ピアノを日曜日にしている。」「ぬいぐるみが宝物。」「ゲームが好きで,宝物もゲーム機で,毎日している。」など友達の多くの情報を得ます。インタビュータイムのあとで「サッカーボールが宝物の人はだれでしょう?」と尋ねるとクラスの友達のことなので,関心が高い状態で教師や友達の声に耳を傾けるようになります。もちろん,答えを知っている子は自信満々で答えることができます。このように学習をふり返ることで単に「What is your treasure?」というだけではなく,意図をもって質問を行うことになります。そして,友達のことをもっとたくさん尋ねようとする姿勢にもつながるようにと考えています。

 以上のように,楽しくインプットし,活用し,交流し,さらに身につけていきたいというサイクルができるのではないかと考えています。

 子供たちが外国語を学び「楽しいな!」「もっと知りたい!」と感じるような授業,そして新しい世界が広がるような授業をしていきたいです。ぜひ研究を一緒に行っていきましょう。よろしくお願いします。

#外国語活動・外国語科,ICT,ゲーム,クイズ

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