授業・研究活動授業・研究活動複式教育外国語・外国語活動

英語で会話する楽しさを実感(56F)

1 調査結果考える外国語の授業の在り方

 文部科学省の全国学力・学習状況調査で,英語の学習が好きと答えた小学6年生が減っています。2013年度は「そう思わない」と「どちらかといえば,そう思わない」の合計が23.7%だったのが,2021年度は31.5%になっています。教科化によりテストがあり,評価もつくなど,子どもにとって中学校の英語授業の前倒しのようになったと感じていることが原因として挙げられます。
 多くの児童は,日本語でコミュケーションをしていることが多い。そのため,多くの子が英語でコミュケーション(特に書く・話すなどの表現)をすることを難しいと感じています。その一方,外国語の授業で学んだことを活かして,コミュケーションをすることができた時に楽しいと感じる子も多くいるます。そこで,外国語の授業で,アメリカ・ニュージャージー日本人学校とオンラインでつながることで,海外を身近に感じ,海外に住む友達と英語でコミュニケーションをすることに必要性をもってほしいと考えました。そうすることで,英語で伝える喜びを感じ,もっと伝えたいと思ってほしいと願っています。

2 今年度取り組んでいる単元について

単元名

 時間・空間を超えて繋がれ ~和歌山とニュージャージー~

目 標

 これまでの外国語活動・外国語で学んだことを活用したり,これから外国語で学ぶ内容を見通したりしながら,ニュージャージー日本人学校の友達に自分のこと(自己紹介・自分たちが学んでいることなど)を伝えることを通して,自分たちはやればできるという自己効力感を高め,様々な立場の人と交流したいと考えるとともに,より分かりやすく伝えるためにはどのようにすればいいのか考えることができます。

3 英語を伝える楽しさを実感するしかけ

 この実践は,英語で交流することを通して,自分たちはやればできるという自己効力感を高めると考えました。そして,もっと多様な人たちとの交流をしたいと考えるとともに,分かりやすく伝えるためにはどうすればいいのかを考えることを目指すものであるといえます。そのような子供の姿を具現化するために,4つの「しかけ」を行います。

しかけ①異国に住む友達との交流  

 ロイロノート上に,ニュージャージー日本人学校5年生と本校5・6年複式学級の子供たちが共有できる授業を開設し,オンデマンドの交流をしていきます。それにより,リアルタイムでは難しい英語での表現を,自分のペースで伝えることができます。外国語で伝えたいという目的意識も高まっていくと考えます。

しかけ②学級担任の願いを引き継ぐ

 専科は各教科の専門性に加えて,子供理解が大切だと考える。その中で,担任の願いを共有して専科の授業を進めていくことで,子供の学びを途切れさせないと考えます。

しかけ③外国語での既習を意識し,学びを見通す

 外国語の学習内容は他教科に比べて少ない。そこで,児童に,これまでの学習内容・今後の学習内容を掲示することで,児童がこれからの学びに見通しをもって学べると考えます。

しかけ④カリキュラム・デザイン

 担任の授業と関連させたカリキュラム・デザインをすることで目的意識をもって英語での表現が実現すると考える。週1度のALTによる外国語の授業を活用・発揮の場に位置付けます。

4 子供の姿

 この単元は,1学期後半から11月まで学んでいく。6月にニュージャージー日本人学校の友達から英語で作成された自己紹介動画が届きました。子供たちは個人やグループで何度も何度も視聴し,内容を理解しようとしていました。その後,自分たちの自己紹介動画の撮影を行いました。子供たちは,これまで学んだ英語の表現を活用しながら自己紹介をしていきました。事前に動画を撮影することで,緊張が和らぐと考えていたが,思っていたよりも子供たちは緊張していました。年間を通じて,交流活動や伝えることに意味をもって英語でのコミュニケーションをしていくことを願っています。そして,英語を楽しみながら,「話す」・「聞く」・「書く」・「読む」力も身に付けてほしいと思っています。秋の研究会では,英語を使ってニュージャージー日本人学校の子供たちと楽しく交流している姿を見てください。

 子供・教師どちらも楽しいと感じる授業を一緒に考えていきましょう。

#楽しく学ぶ,ICT,外国語,交流

一覧にもどる