1.道徳科の本質
道徳科は,自己の生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した一人の人間としての他者と共によりよく生きることができるための基盤となる道徳性を養う教科である。道徳科の本質は,内面的資質を育てることである。内面的資質とは,子どもがよりよい生き方を実現していきたいという思いや願いを持ち,将来様々な場面に出会った時,その状況に応じて主体的な判断に基づいて道徳的実践を行うことができることである。そのために,自分との関わりで考えること,多面的・多角的に考えることを道徳科の授業の中で大事にしていく。
2.道徳科の目標及び育みたい探究力と省察性,見方・考え方
*育みたい探究力…道徳科の見方・考え方を働かせながら,目の前の未知の問題に対して,探究のプロセスをとおして,解決に取り組む資質・能力
*育みたい省察性…道徳科の見方・考え方を働かせながら,自らの学びにおいて学びの方法や道筋を調整・改善したり,学びを意味づけたり,学んだことを自己の生活や行動につなげたりする自己効力感に支えられた資質・能力
*見方・考え方…様々な事象を,道徳的諸価値の理解を基に自己との関わりで多面的・多角的に捉え,自己の生き方について考えること
3.探究のプロセスをとおした学びのイメージ(単元)
4.自己調整を生む指導
道徳科における自己調整とは、道徳的価値について自分の経験や友達の感じ方・考え方と比べながら、再度自分との関わりで問い直し,自己のよりよい生き方(ゴール)について考えを深めようとすることである。
そのための指導として,①本時・本単元のゴールの把握 ②学習方法 ③振り返りの仕方 ④相互評価による振り返りの4つが必要である。
また、自己調整を生む指導の手立てとして,①自分事として考えようとする課題の設定 ②友達との感じ方・考え方と比べることができる場の設定 ③教師による個に応じたフィードバックを重視する。
これらを行うことで,子どもは道徳的諸価値の理解を基に自己との関わりで多面的・多角的に捉え,自己の生き方について考えることができるようになる。
5.研究の評価
研究内容で取り組んだ授業実践の中での子どもの言葉をもとに,研究の成果と課題を明らかにしていく。その際に授業での子どもの言葉や振り返りの記述などを用いて研究の評価を行う。また,単元を通した振り返りやアンケート行ったりしながら,検証する。
道徳科科提案(PDF)はこちら