和歌山大学教育学部附属小学校
 

体育

研究内容-体育
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2020/07/28

第2学年体育科「忍B道場~なげるの巻~」

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校内研振り返り

第2学年体育科
授業者:則藤 一起
指導案はこちら

1.授業づくりの「しかけ」と子どもの探究
 「ドン・シュッ」とは違うオノマトペを考えることで,広げる足の幅が大きくなることを目的とした。

5つの場の内,2つを終えたところで集めた場面
 T:どう?ちょっと強く投げられた?
C:(口々に)うん。
T:先生見てたら,「ドン・シュッ」がロボットみたいになってる子もいたんよ。※1
しょう:あっ,忘れてた。
T:なんか,バラバラ。「ドン」「シュッ」
C:(口々に)「ドン・シュッ」
T:じゅんさん,見本やって。
じゅん:(動きをする)足で「ドン」,うで「シュッ」
かずなり:野球選手みたい。
さとし:投げたかと思った。
T:こんな感じ?
  でもほんまに投げたら,ちょっと違う気するんやけどな。
じゅん:(投げる)“ドン・トン・シュッ”
(「トン」は,「ドン」の後の一歩の感じを私が表したもの)
C:(口々に)うわ~すごい!
T:今の見てた?
  音と足。「ドン」で足,「シュッ」で手,見といてな。
じゅん:(投げる)“ドン・トン・シュッ”
T:先生,真似するで。“ドン・トン(この動きを強調)・シュッ”
T:この前は,音出そうと思って,「ドン」ってしてたんやけど,じゅんさんも,「ドン」の後,もう一歩出てたん見えた?※3
まさき:うん,見えた。
じゅん:(投げる)“ドン・シュッ” 【図1】

 
      図1:じゅんが投げる場面

T:あれ,さっきと変わってもた・・・。※4
T:(悩む)
T:先生が思ったんは,しょうさん「忘れてた」って言ったやんか。忘れてても,足がしっかり前に出てたら,いいのかなと思ったんよ。
さっき,言いたかったんは,「ドン」って言ったけど,じゅんさん,これやったら,足の幅狭いから,もう一回広げたんよ。ほんで「シュッ」てしたんよ。※5
  だから,みんな,そこらへん考えてやってみてくれる。「ドン」がほんまにいいんか,「ドン」じゃなかったら,他に何があるんやろな。「トン?・シュッ」※6

※1
 「ドン」については,足がそろったまま投げている忍Bキッズに“足を出すんだ”という意識付けには有効だった。しかし3時間目で,まだ同じ側の足が出てしまう忍Bキッズが4名いた。動きの流れとして意識させたいと思い,「ロボットみたい」という言葉を使った。

※2,3
 本時は,“投げる方の腕”に着目するのではなく,“歩幅”に着目させたいと考え,指導案を変更した。歩幅に着目させるために,足を大きく広げるじゅんに見本をさせた。その時「ドン」の後に,もう一歩広げた。この,一歩踏み出した「トン」の動きを考えさせたかった。

※4
 じゅん自身が,「ドン・シュッ」を意識して投げたので,“ドン・トン・シュッ”とは,ならなかった。

※5
 教師が“歩幅”について説明をおこなった。

※6
 歩幅に音をつけるなら“トン”などの音になるのかなと問うた。“スー”や“シュタッ”など,他の音を言いすぎると,忍Bキッズの思いを狭めてしまうと考え,「トンかな?」とだけ問うた。

 本時でも,まだまだ“倒したい”“遠くへ飛ばしたい”という思いが強く,夢中で投げている感じが強い。“じゅんのように強く投げたいな”と思っていても“どうしたら強く投げられるのだろう”と考えている忍Bキッズは少なかった。
 よって,本時のしかけというよりは,単元としてのしかけ(➀場や教具の工夫 ②ようかいの雰囲気)により,主体的に何度も何度も,そして強く投げようと活動していた感が否めない。【図2,3】
 また,協議会で「➀オノマトペのおもしろさ・大切さ」と「②自分なりのオノマトペを考えてみてはどうか」というご意見をいただいた。➀自分の体の動きを表すとき,オノマトペを使うことで“自分はこんな風に動いているんだ”という,ふり返りの視点になるのである。また➀につながるが,➁自分の投げ方に自分なりの音をつけてみれば「スタ・シュッ!」などを考え,それを出し合うことで,「ぼくは,『トン・シュッ!』やで」「私は,『ストン・シュッ!』やで。」と,お互いの音を比べ,試していくことにつながると考える。
 
図2:ブルーようかいに投げる!

 
図3:左足を大きく出す!

2.本時における子どもの評価活動
 ●終末のふり返り
  歩幅について…4名
  他の投げ方のコツ(腕のこと)について…1名
  “当たった”“もう少し”などの感想…14名(➀)
  “ドン・シュッ”はやっぱり良い…10名(➁)
  欠席…1名

 ➀➁に多いのは,カードの記入が前回からで本時が2回目であり「できるようになったのはどうしてか」と,意識させてからふり返りを書かせるようにしたが,“○○に当てました”(➀)とできたことを書いているのと,今まで共有してきた「ドン・シュッ」(➁)に疑いをもつ忍Bキッズが少なかったからである。オノマトペよりは「的に当てたい」「遠くへ飛ばしたい」の一心だった。
 しかし➀の中には,「前より上手にできました」や「おしいところまでできました。」など,“どうしてできたか”と言葉では表せないが,以前の自分と比べて書くことができている忍Bキッズもいた。

3.まとめ
 忍B道場~なげるの巻~全6時間を終え,忍Bキッズの投げたい思いを低下させることなく,ずっと維持させ続けられたのは,場や教具の工夫とようかいの雰囲気である。思い切り投げられる場と,たくさんの玉の準備,ようかいから出る声,ようかいを倒して先生の子どもを助けるというストーリーなどである。投げる動きに関しては,活動する際,現状の動きでできるのであれば問題はなかった。それが,箱を重くしたり,投げる位置を後ろに下げたりすることで,“前よりも強く投げなければいけない”“友だちよりも遠くに飛ばしたいな”と思わせ,1回1回投げながら“どうしたら強く投げられるのだろう”と,トライアル&エラーを繰り返していた。
 省察の手立てとして,オノマトペを考える場面とカードに記入の場面を設定していたが,3時間目としては,どちらも難しかった。5時間目「先生,この前,トントントンって3回のバウンドで入ったんやけど,今日はトン1回のバウンドで入った。足を大きくひらいたから!」と嬉しそうに伝えに来たゆい。6時間目「『ドンシュッ』じゃなかったです。『トンシュッ』でした。」と身体の動かし方と対話していたたくや。低学年では,「夢中になって何度も活動する」ことが大切だと思った。
 しかし,夢中になるということは,挑戦して,失敗して,また挑戦して,成功するというのが繰り返し行える活動である必要がある。
 言葉は後からついてくる。できたとき「どんな感じで投げてるん?」と教師から問えば,「〇〇な感じ!体は横向いているやろ。そこから一気に『えい!』って投げるんよ。」「えいってどんな感じ?音を付けるとすれば?」「トンかな?」と,どんどん動きに説明(音)がついてくる。これからも「どんな感じ?」「どんな音?」と問うことにより,忍Bキッズ自身が身体と対話していける体育学習をめざしたい。

23:09 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 授業・研究活動
2020/07/28

第3学年体育科 「スーパージャンパーになろう」

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校内研振り返り
教科等:第3学年体育科「スーパージャンパーになろう」
授業者:湊本祐也
指導案:こちら(PDF)

1.授業づくりの「しかけ」と子どもの探究
 動画撮影及び視聴を学習活動に取り入れる取り組みは,6月に実施した前単元の「マット運動」から始まっている。まだ導入期にあたる時期のため,撮影する側,撮影される側双方の練習が今後も必要である。さらに,運動に関わる語彙を豊かにしていきつつ子ども同士で共有し,学びあえるように発展させたい。
 子どもたちが動画を撮影し合う中で,自然とコミュニケーションが生まれる場面が多く見られた。「しっかり足が上がっているね」や「ゴムひもよりもすごく上の方を跳んでいる」などの友だちをほめるような発言や,「もうちょっと踏み切りが手前の方がいいよ」「踏み切りの足が反対になっているよ」などの友だちの運動に対するアドバイスも多く生まれた。
 運動を動画として残すことは,単に活動を記録するだけのものでなく…つまり「撮って終わり」「観て終わり」ではなく,そこから何を考え,次の運動につなげていくことが大切である。そのために自分や友だちの運動を積極的に言語化し,共有することは豊かな学び合いへとつながる。体育科における諸活動に主体的に取り組み,よりよい運動をめざし,友だちと協力して探究していくような授業づくりの仕掛けを,今後も考え実践していきたい。
 

2.本時における教師による評価
 子どもの個々の運動に対して価値づけることは,子どもがもつ運動に対する心情やモチベーションに大きく影響する。高跳びの運動を「跳べている」「跳べていない」の二極化で捉えるのではなく,「跳べていたとしても,ふみきりの位置が遠すぎる」「跳べていないけど,助走のリズムが良かった」などの,より一歩踏み込んだ視点を子ども自身がもち,自分や友だちの運動を分析する視点に気付かせる評価活動をすることが,運動技能の向上に寄与することは間違いない。そこから自らの課題を再認識し,そのめあてを達成するために必要な練習をすることが大切である。つまり,メタ認知能力を働かせることが重要である。
 本時における子どもの振り返りには,
「安全に怪我をせずに跳べてよかったです。次は,〇〇さんに教えてあげたいです。」
「〇〇さんは左足がひっかかっていたけど,あとちょっとで跳べそうでした。」
「今日は〇〇さんが跳んでいるところを見て,すごいと思いました。」
などの友だちの運動を意識するものがあった。
 他にも,
「95cmは跳べたけれど,少しよろついていたので,次はぐらつかないで跳びたいです。」
「左足がひっかかっていたので,左足がひっかからないようにしたいです。」
「今日の僕の動画を見たら,もうちょっとでゴムに当たりそうだった。」
といった,自分の運動を動画によって振り返っている子どももいた。練習や動画の視聴の中から,明確に自己の課題を見つけ,評価できている子どももいるが,ただ「高さ」に拘り,「助走」「ふみきり」「ジャンプ」「着地」の諸要素に着目するまでに至っていない振り返りも多く見られた。自分や友だちの運動を多角的に分析し,言語化できるように指導していきたい。

3.まとめ
 子ども一人ひとりが体育の運動に積極的に関わり,楽しさを感じることが何よりも大切である。友だちとの交流の中で互いに技能を磨き,思考していく場面は重要である。そのための学習環境の設定や教具・教材を効果的に活用していくことが,探究の質を高める「しかけ」となる。指導者として子ども一人ひとりの運動能力や特性を仔細に把握し,適切な支援を行いつつ子ども同士が学び合える学習を今後も展開していきたい。

22:45 | 投票する | 投票数(1) | コメント(0) | 授業・研究活動
2020/06/21

2020体育科提案

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1.体育科の目標及び育みたい探究力と省察性,見方・考え方
(1)体育科における育みたい探究力
 体育の見方・考え方を働かせながら,目の前の未知の問題に対して,探究のプロセスをとおして,解決に取り組む資質・能力
(2)
体育科における育みたい省察性
 体育の見方・考え方を働かせながら,自らの学びにおいて学びの方法や道筋を調整・改善したり,学びを意味付けたり,学んだことを自己の生活や行動につなげたりする自己効力感に支えられた資質・能力
(3)
体育科における見方・考え方
 運動やスポーツを、その価値や特性に着目して,楽しさや喜びとともに体力の向上に果たす役割の視点から捉え,自己の適正等に応じる「する,みる,支える,知る」の多様な関わり方と関連付けて考えること

2.体育科における探究のプロセスをとおした学びのイメージ


3.探究力と省察性を育む指導
 どうすれば運動ができるようになるのかを考え,生き生きと運動し続けることが探究している姿であると考える。そのために,以下の点に重点を置いて研究を進める。
(1)子供の側にたった運動の「おもしろさ」の分析:運動の特性を捉え,知識を深める。
(2)可視化・共有化:子供の言葉や動きを共有するための手立てを工夫する。(調整する過程における適切な授業づくりのしかけの工夫)
(3)「できた」の実感:子供自身が変容に気付くようなフィードバックを行う。(評価:体の動かし方や部位,チームの戦術面などに目を向けさせる声かけの工夫)
(4)カリキュラムマネジメント:CHANGE,保健,生活科,家庭科,食育などとつなぎ,健康的な心や体づくりに目を向けさせる。また保護者に協力を仰ぎ,家庭での意識につなげる。

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2019/06/27

走り高跳び ~目指せ!High Jumper~

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 本時は助走距離について学習しました。「助走は長い方がいいの?」という問いを解決するために“速さや距離は大事か”と考えさせました。ほとんどの子どもが“速すぎても遅すぎてもあかん”と発言していましたが,実際に活動し取り組ませることが大事だと考えました。ただ歩数だけではなく歩幅についても考え始め,考えることが多岐にわたってしまい焦点化できませんでした。
 学習カードに「助走は跳ぶ時にふんばる力をためるものなので,跳びにくい時に変えればいい。」とありました。学びの本質に気付く子どもの感想に,子どもの学ぶ力のすごさを感じさせられました。



●この授業の指導案
19:37 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0) | 授業・研究活動
2019/05/28

体育科提案2019

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1.体育科の本質

 体育科は,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成する教科である。この資質・能力は,「(1)その特性に応じた各種の運動の行い方及び身近な生活における健康・安全について理解するとともに,基本的な動きや技能を身に付けるようにする。(2)運動や健康についての自己の課題を見付け,その解決に向けて思考し判断するとともに,他者に伝える力を養う。(3)運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し,楽しく明るい生活を営む態度を養う。」である。本校では,この3つの資質・能力を身につける=「運動を楽しめる子」と考え,取り組んでいく。

 

2.目標及び育みたい探究力と省察性

(1)体育科の目標

 体育や保健の見方・考え方を働かせ,課題を見つけ,その解決に向けた学習過程を通して,心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力を育成する。

(2)育みたい探究力

[運動面]
「できるようになりたい!」と運動に取り組み続ける力

 [健康面]

健康的な心や体をつくろうとする力

(3)育みたい省察性
 [運動面]

どうすればできるようになったかを振り返る力
どうすればできるようになるかを考える力

[健康面]

自分の生活(生活習慣)を見つめ直す力

 

3.探究的な学びのイメージ

 

 4.探究力と省察性を育む指導

  どうすれば運動ができるようになるのかを考え,取り組み続けることが探究している姿であると考える。また,運動への探究を行い続けるためには,体の変化に目を向けることも大切である。運動を楽しむための基礎となる体をつくることにも探究できるカリキュラムを編成していく。そのために,以下の点に重点を置いて研究を進める。

・運動についての知識を深める:それぞれの特性を知り、背景まで理解しておく。

・運動にどのような思いをもっているのかを知る:アンケートや態度測定,学習カードからみとる。

・子ども自身が変容に気付くようなフィードバックを行う:体の動かし方や部位,またチームの戦術面などに目を向けさせる声かけの工夫。

・身に付けさせたい力と子どもの思いを擦り合わせた学習過程を考える:子どもがどんな思いでそれぞれの運動を学んでいくのかを考え,必要に応じて1時間ごとに修正しながら課題を考えていく。

・話し合いや教え合いの時間や場を大切にする:子どもたち同士で「なんでできるの?」と尋ねる,「ここをこうしたらいいんじゃない」とアドバイスをし合うような風土づくり。

・カリキュラムマネジメント:CHANGE,保健,生活科,家庭科,食育などとつなぎ,健康的な心や体づくりに目を向けさせる。また保護者に協力を仰ぎ,家庭での意識につなげる。


5.研究の評価

 授業実践の中での子どもの思いをもとに,単元の中で「どのようにすれば探究力を継続させられるのか」に視点をあて,研究をふり返る。学習カードの内容と支援の方法を照らし合わせることや実際の活動の様子を映像でふり返るなどをして,単元における個や集団の変容をみていく。そこから,学習過程の工夫や声かけ,手立て等が適切であったかを判断する。また,大学との連携により,「態度測定による体育授業診断法」を用い,量的分析も行い,質的分析と両面で進めていく。

 

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